外星編 ウルトラホピスファイト part8
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
劉静こそ……!』
『ふふっ……この前の約束とは逆になってしまったけど、こういうのも悪くはないね』
九死に一生を得た劉静は、しとどに汗ばみながらも不敵な笑みを溢している。コクピットのキャノピー越しに、心配げに見守るアルマやリーゼロッテに微笑み掛けながら、彼女は安堵の息を漏らしていた。
他人を体良く利用している魔性の男役。自分がそう噂されること自体を疎んだことはないが、それでもやはり、自分を純粋に認めてくれる仲間達に誤解されたくはなかったのだ。
その可能性を少しでも払拭出来るのなら、こうして誰かの盾になるのも悪くはない。そんな胸中を滲ませるように、劉静は憔悴しつつも蠱惑的な笑みを溢していた。シートに押し付けられた彼女の乳房は、むにゅりと扇情的に形を変えている。
『エリー、今の状態で劉静の機体を狙われたら今度こそ助からないよ! 私達で仕掛けようッ!』
『……はいっ! 劉静さんを死なせるわけには……行きませんっ!』
一方、片翼を失った劉静機の姿を目の当たりにしたナターシャ機とエリー機は、キングジョーの狙いを引き付けるべく機首部のレーザー銃を連射していた。
一つの部位を執拗に狙い続け、相手の動きを阻害する戦法を得意とする彼女達の攻撃が、さらなる爆炎を呼び起こしている。
『各機、深追いは禁物です! ミサイルは確かに効いているのですから、無茶はしないでくださいッ! 高度を上げて距離を取りますよッ!』
『……了解ッ!』
リーゼロッテを筆頭とする女傑達はミサイルの効き目に確かな手応えを覚えつつ、すれ違いざまに操縦桿を引き戻して高度を取り戻して行く。艶やかな髪からふわりと漂う甘い香りも、瑞々しい柔肌を伝う汗の匂いも、彼女達のコクピット内を優しく満たしていた。
‘『ギ……ガ、ガガ……!』
――その一方。大破寸前となっているキングジョーは暴走を続けながら、不規則な電子音を発していた。そこには、開発者であるペダン星人にしか理解できない一つのメッセージが込められていたのである。
『オ……オデ、マモル……! ミンナ、マモル……!』
◇
希望と平和を愛する人々が穏やかに暮らしていた、緑豊かな惑星――ホピス。
その美しい大地が「恐ろしい侵略者達」に狙われていることに気付いていたホピス星人達は、ペダン星人との交易を経てキングジョーを「輸入」していた。
どのような世界にも、戦うことでしか守り抜けないものがある。それを理解していたホピス星人達は、ペダン星が誇る最強の宇宙ロボットに母星の未来を託し、敢然と立ち上がったのである。
彼らにとってのキングジョーはまさしく、母星を守護する「鋼鉄の騎士」であった。その願いを託された特別改修機は、「ホピスナイトカスタム」という
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ