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ウルトラマンカイナ
外星編 ウルトラホピスファイト part6
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り、距離を取る。

 その一連の攻防を目撃していたBURKスコーピオンの乗組員達は、ウルトラ戦士達と互角に渡り合うキングジョーの性能に息を呑んでいた。いくらウルトラセブンすら苦戦させた宇宙ロボットとは言え、これほどまでの耐久性と継戦能力を持った機体など、過去に例がないのである。

「な、なんて奴なんだ……! 12人ものウルトラマンに総攻撃されても、まだ立っていられるなんて……! し、しかもウルトラマン達の方が押されてるくらいじゃないか……!?」
「いや、だけどウルトラマン達の攻撃も確かに効いているぞ……! 出現時よりもさらに装甲が削り落とされてる! 無防備な部分はどんどん増えて来てるんだから、そこに強烈な1発をかましてやれば……!」
「頑張ってくれよ、ウルトラマン……! BURKセイバー隊の皆ッ……!」

 それでも、決して不利というわけではない。乗組員達が言う通り、出現時の時からすでに損耗していたキングジョーの外装は、ウルトラマン達の攻撃によってさらに剥がれ始めている。
 つまりそれだけ、攻撃が通りやすくなるということなのだ。一見すればキングジョーが圧倒しているようだが、実は向こうもかなり危険な状態なのである。

 その勝機に自分達の運命を委ねた乗組員達は、ウルトラマン達とBURKセイバー隊の勝利を祈り続けている。それは、BURKスコーピオンのコクピットから戦いの行方を見守っているシャーロットも同様だった。

(……あのキングジョーは私達の前に現れた時から、すでに激しく損耗していた。そして、これまでの攻撃でやっとあそこまでのダメージ……。やはり、これまで地球で観測されて来た機体とは明らかに耐久性が異なるわね。この状況下でも分離合体を一度も使っていないところを見るに、その機能を犠牲にして耐久性の向上に特化した、拠点防衛仕様の機体……ということかしら)

 豊穣な爆乳を腕に乗せ、その白く深い谷間から甘い女の匂いを振り撒いている彼女は、目を細めて戦況を凝視している。

(そのキングジョーをあそこまで痛め付けた光波熱線……か。もしそんな大火力が私達に向けられるような時が来たら、その時こそ間違いなく地球は滅亡ね)

 キングジョーの並外れた耐久性に着目している彼女は、それ自体だけでなく――そのキングジョーをあの状態になるまで追い詰めた、光波熱線の正体に思いを馳せていた。

 この星を滅ぼし、あのキングジョーを大破寸前にまで追い込んだ侵略者とは、一体何者なのか。その恐るべき最大の謎は、シャーロットの脳裏に絶えず纏わり付いている。

 だが、それがこの場で明らかになることは無いのだ。ホピス星人が滅びた今、死人に口はないのだから――。

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