外星編 ウルトラホピスファイト part5
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た年長者は、自分の半分程度も生きていない少年の未来を憂いているのだ。
「……しかしな前田、お前はまだ15だ。その歳で入隊試験をパスしたってのは確かに大したタマだが、ガキであることに変わりはねぇ。リーゼロッテの奴にも言えることだが……自分から命を懸けに行くには、お前らはあまりにも若過ぎる」
「いつか大人になる日を待っていたら、その間に全てが終わってしまいます。戦場においては常に巧遅より拙速……なのでしょう? 俺はその原則に則り、今行くべきだと判断しました。だから、この調査隊に参加したんです。……ガキだとしても、です」
前田としても、シゲタの言い分が理解出来ないわけではない。それでも彼はこの若さで、すでにBURK隊員としての矜持というものを身に付けていたのである。
自分が教えた「原則」をそのまま返されてしまった年長者は、深々とため息をつきながら天を仰いでいる。だが、その表情は先ほどまでの暗いものではなくなっていた。
「……言うようになっちまいやがって。俺達大人の立つ瀬がねぇだろうがよ」
自分の方こそ、彼を子供扱いし過ぎていたのかも知れない。そう思えてしまうほどに、前田力也という少年は戦士としての覚悟を固めていたのだ。
――そして、この翌日。
BURKスコーピオンの乗組員としてホピス星に旅立った彼らは、その旅路の先で「死」の運命を迎え――奇跡的な「邂逅」を果たしたのである。
◇
士道だけではない。一度は命を落としながらも、ウルトラマンとして蘇った男達は次々と目覚め、懸命に落石の中から抜け出そうとしていた。
今もなお戦っている仲間達の元へと駆け付けるため、彼らは懸命に大岩を押し退け、積み上がった岩山の外へと這い出て行く。
「……!」
そんな彼らの勇気と闘志に呼応するかのように。薄汚れた隊員服の胸ポケットから、眩い光が溢れ出して来る。
――ペンライト型変身システム起動点火装置「ベーターSフラッシャー」。
赤と白銀を基調とするその「装置」が、懐の中から煌々と輝きを放っていたのだ。自分を使え、と言わんばかりに。
「……ッ!」
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士道達の決意は、同時だった。彼らはその装置を手に取ると、全ての迷いを振り切るように勢いよく天へと掲げ――スイッチを押し込む。
刹那。その先端部を中心に広がって行く、推定200万Wの烈光が男達の全身を飲み込み。やがてその輝き――フラッシュビームの中心部から、光の巨人達が拳を突き上げるように、「ぐんぐん」と顕現して行くのだった。
――鋭い目付きとスラリとした長身を特徴とする、士道剣が変身する「ウルトラマンシュラ」。
――左肩にある銀色の十字紋様と後頭部から伸びている湾
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