外星編 ウルトラホピスファイト part5
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
これから自分達が乗り込むことになる通信車の機能を確認していた2人の若手――日ノ出新隊員と氷川雄一郎隊員は、車内のコンピュータを真摯な面持ちで操作している。
「……これくらいの動作点検なら、もう俺1人で充分だ。日ノ出、お前はそろそろ上がれ」
「そう言う氷川は、昨日からずっと篭りっきりじゃないか。お前こそ、いい加減休みなよ。明日にはホピス星に出発するって話なんだから、少しでも体力を回復させないと」
「このBURKエイティーツーは、未知の惑星に向かう俺達の命を背負うことになるんだ。妥協は出来ん。……それに俺は、『機械のような奴』らしいからな。機械なら機械らしく働くまでだ」
その寡黙な性格と仏頂面から、「機械のような男」と評されることが多い氷川。そんな彼が呟いた自嘲の言葉に、日ノ出は眉を吊り上げる。
人助けを趣味と公言するお人好しとしては、そんな同期を放っておけるはずがないのだ。半ば意固地になりながら、彼はその場から動くことなくコンピュータと向かい合っている。
「その機械みたいな奴を、壊れるまで放っておけるわけないだろ。……そんな奴だからこそ、助けようとするバカだって出て来るんだ」
「……ふん。お前も相当に、甘い奴だな」
そんな同期の姿に苦笑を浮かべながら、氷川は作業のペースを徐々に早めて行く。自分の「無茶」にいくらでも付き合う気でいるのなら、その「無茶」を可及的速やかに終わらせるしかない。それが機械と呼ばれた男なりの、最適解であった。
一方、何機ものBURKセイバーが配備されている宇宙基地の飛行場では、2人の男が自分達の護衛機を整備していた。
今回選抜されたメンバーの中でも特に歳若い前田力也隊員と、フランス支部の外人部隊出身という異色の経歴を持つシゲタ隊員だ。BURKスコーピオンの乗組員達にして、BURKセイバー隊のメカニックでもある彼らは、自分達の命運を預ける機体を入念に点検している。
「……前田。お前、本当にこの調査隊に参加するつもりなのか。あの爆発が起きた星でこの先、何が起こるか分からねぇんだぞ」
「あはは、今さら何言ってるんですかシゲタさん。何が起きるか分からないから、俺達が調査に行くんじゃないですか」
数々の工具を手に、螺子の1本に至るまで念入りにチェックしている前田は、シゲタの神妙な言葉に強気な笑みを浮かべていた。
――弱冠14歳でBURK隊員の資格を得た風祭弓弦。彼以来の逸材とも呼ばれている前田は、BURKスコーピオンの乗組員になるということの意味を承知の上で、シゲタの言及を笑い飛ばしている。
だが、外人部隊の隊員として多くの血を見てきたシゲタの表情は優れない。数多の修羅場を目の当たりにしてき
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ