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ウルトラマンカイナ
外星編 ウルトラホピスファイト part2
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止めを掛けようとした――その時。

 この荒野を揺るがす、激しい地震が始まったのである。

『……全機離陸ッ! BURKスコーピオンの周囲を警戒してくださいッ!』
『了解ッ!』

 突発的な緊急事態を前に、即座に鋭い顔付きに切り替わったリーゼロッテ達は、それぞれの乗機であるBURKセイバーを素早く垂直離陸させる。母船を中心に飛び回り、四方を見渡す彼女達の眼は、凛々しい戦乙女のものとなっていた。

『今の振動は地下から……!? 洞窟内の調査に向かったシャーロット博士達は無事なのですかッ……!?』
『た、隊長! あれッ……!』
『……!』

 すでにBURKセイバーに搭載されているコンピューターは、この振動の「震源地」を特定していた。その震源地とは、弘原海達が突入した大穴の奥地だったのである。

 そして。先ほどまでの愚痴も忘れて、彼らの身を案じるリーゼロッテが桜色の唇を噛み締めていた時――「震源地」の方角に目を向けていた隊員の1人が、驚愕の声を上げていた。
 彼女の声に顔を上げたリーゼロッテも、部下が目にした光景に言葉を失ってしまう。

『あ、あれはまさかッ……!?』

 この振動を引き起こし、弘原海達が向かった先の「洞窟」から現れたのは――内部機構が剥き出しになっている、満身創痍の「巨大ロボット」だったのだ。
 辛うじて原型を留めているそのロボットの名を、BURKの美女隊員達はよく知っている。歪な電子音を発し、轟音と共に大地を歩むその姿は、紛れもなくあの(・・)兵器だったのだ。

『キング……ジョー……!?』

 ペダン星人が開発したとされている、「宇宙ロボット」キングジョー。その鋼鉄の巨人が今、リーゼロッテ達の前に姿を現したのである。

『隊長ッ! あのキングジョー……どうやら私達を敵と見ているようですッ!』
『各機散開ッ! ……何であんなモノがこの星に居るのか、何ですでにボロボロなのかは知りませんが……襲って来るのなら、力の差というものを分からせてあげるまでです。全機、攻撃体勢ッ!』
『了解ッ!』

 眼に相当する部位から照射される破壊光線が飛んで来たのは、その直後だった。リーゼロッテ機率いるBURKセイバー隊は即座に散開し、反撃に転じる。

『ふふんっ……ざぁこ、ざぁこっ! 外装ボロボロよわよわロボット! 私達「BURKセイバー隊」の恐ろしさ、たっぷりと味わうが良いですっ! 機首部レーザー銃、安全装置解除ッ! ――()ぇぇえッ!』

 凛々しき戦乙女達を乗せた宇宙戦闘機の編隊は、BURKスコーピオンを狙わせまいとキングジョーの周囲をマッハ4の速さで飛び回る。そんな彼女達を叩き落とそうと、鋼鉄の巨人はその巨大な鉄腕を振り翳していた――。

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