敢闘編
第四十八話 対峙
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ム』との事です」
クブルスリー総参謀長が通信文を手にシトレ親父に駆け寄る。
「了解した。第四艦隊を回廊に進入させたまえ」
「了解しました」
総参謀長がタフト准将に合図すると、第五艦隊の状況概略図が艦橋正面スクリーンに映し出された。
「これは…」
スクリーンに映る概略図を見て、ヤンさんが思わず声を出した。確かに、これは…。
「駐留艦隊の規模が大きいな、総参謀長。二万隻は居ると思うが」
「はい、想定より数が多いようです。過去の戦いから一万五千隻程度を想定していたのですが」
「敵の増援は約一万隻だったな?」
「はい、間違いありません」
「戦いに齟齬は付き物だ。よし総参謀長、第十艦隊も進入させよう。第五艦隊は一旦後退、第四艦隊を中央、右翼は第五、左翼は第十艦隊とし、合流せよ。現場指揮の先任指揮官はグリーンヒル中将とする。帝国艦隊と対峙、戦線構築確認後、第八艦隊も進入する。かかれ」
さあ、いよいよ本番、第一段階開始だ。
11月20日10:30
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部
ラインハルト・フォン・ミューゼル
ヒルデスハイム伯は司令官席で足を組み、目を瞑っている。
前線での戦闘が彼を変えたという。今からそれが本当なのか証明される。
「ラインハルト様、いよいよですね」
「ああ。俺も早くこの様な艦隊を率いる事が出来るようになりたいものだ…こちらは二個艦隊三万一千隻、叛乱軍は…四個艦隊、約五万三千隻。艦隊兵力は向こうが上、どう要塞主砲の射程に引きずりこむか、だが」
「はい、ですが叛乱軍も過去の戦闘で要塞主砲の威力は充分解っている筈です。簡単には主砲の有効射程内には入ってこないでしょう」
「そうだな…」
俺達の会話が聞こえたのだろう、参謀長シューマッハ中佐が割り込んできた。
「ミューゼル少佐が敵の艦隊司令官なら、要塞をどのように攻める?」
中佐の顔にはいたずら小僧の様な表情が浮かんでいた。
「小官なら、ですか」
「そうだ。卿が叛乱軍の指揮官なら、どうする?」
俺は思わずキルヒアルスと顔を見合わせた。
「…参謀長ならどうなさいますか」
「ハハ、聞いているのは俺なんだがな……俺なら要塞を攻める事より、敵の…この場合は我々の事だな、帝国軍の艦隊兵力を減らす事に全力を注ぐがね」
中佐の返事に答えようとすると、オペレータが声を張り上げた。
”駐留艦隊司令官より入電、司令部に回します!”
我々の前に映像が浮かび上がる。駐留艦隊司令官、ヴァルテンベルグ大将の姿が映っている。
11月20日10:35
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部
ヒルデスハイム
…要塞を攻める事より艦隊兵力を減ら
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