第四章
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「だからな」
「誰かの役に立った、貢献したこともないのね」
「五十年以上生きていてな」
「偉いどころかね」
「もう生きていても害にしかならないな」
「どうしようもない人ね」
「ああ、ああしたおっさんこそな」
見れば叔父は勝手に誰に言われることもなく法事の場で上座に上がった。しかしここで多くの親戚が顔を顰めさせてだった。
そこからどけだの出て行けだの言われて追い出された、叔父は不貞腐れて法事の場を出て行った。楓が彼が今置いてもらっている寺を追い出されて他に頼った知り合い全員から門前払いされて行方不明になったと聞いたのはこの法事からすぐ後だった。
それからだった、楓は天とまた宅飲みをしたがこの時にこの叔父のことを語った。今は天の部屋でそうしていてやはりラフな後は寝るだけという恰好だった。近くのコンビニにはかろうじて行けるという位である。
その話を聞くとだ、楓はまさにという口調で言った。
「そうよ、そんな人はね」
「駄目よね」
「正直どう思った?叔父さんのこと」
「お父さん生きていても害にしかならないって言ってたけれどね」
父のその言葉で答えた。
「私も同じこと思ったわ」
「そうなのね」
「生きる資格なしってね」
「そこまでの人よね」
「だってね、言うならガチクズヒモニートよ」
叔父のことを一言で言った。
「資格なしお金も立場も人格も人望もなし」
「誰かを助けたこともなし」
「迷惑をかけるだけのね」
「まさにっていうのね」
「ガチクズヒモニートよ」
楓はまたこう言った。
「聞いたら親戚中からああなってはいけないってね」
「言われてるのね」
「反面教師よ」
「そうした人になるとね」
それこそとだ、天は答えた。
「もうね」
「生きる資格が本当になくて」
「駄目よ、けれどあんたはね」
「普通に働いているから」
「努力してるしね、ましなんてものじゃないわ」
そうだというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「そうよ、普通に生きているだけで」
まさにそれだけでというのだ。
「生きていていいのよ」
「働いて努力していて」
「そう、だからこれからもね」
「私は頑張れはいいのね」
「そうよ、安心していいわ。だからこれからも」
「普通になのね」
「生きていったらいいわ、それこそがね」
まさにとだ、天はまたこう言った。
「生きていい資格よ」
「それだけなのね」
「そうよ、だから頑張っていってね」
「そうするわね、ただ私性格とかも磨かないとね」
楓は天の言葉に頷きつつこうも思った。
「駄目ね」
「叔父さんみたいな性格にならない為に」
「そうしないとね」
「そう思うだけでも違うわよ」
「そうなの」
「そうよ、心掛けて頑張ったらそれだけで生きて
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