第四章
[8]前話
「美味い、実にな」
「その通りだな」
ゼウスも食べつつ述べた。
「どれも美味い」
「それも最高にな」
「見るのだ」
ここでゼウスはこうも言った。
「他の神々を」
「うむ、誰もが楽しんでいるな」
「美味いからな」
「そうだな、オリーブは海の幸も美味しくするのか」
「それがオリーブなのです」
アテナはポセイドンに微笑んで答えた。
「あらゆるものをです」
「美味くするか」
「その実を使っても油を使っても」
「そうなのだな」
「オリーブがあれば」
まさにそれだけでというのだ。
「あらゆるものがです」
「美味くなるのか」
「そうなのです」
「そうなのだな、これは認めるしかない」
ポセイドンは食べつつ述べた。
「オリーブのことをな」
「そうして頂けますか」
「まさに最高の実だ」
「左様ですね」
「あらゆるもの、海の幸まで美味くするな」
こう言いつつ食べていった、そうしてだった。
ポセイドンは以後自身の食卓でオリーブを用いる様になった、そうしながら海の神々に対して話した。
「忌々しいが美味い」
「オリーブはですね」
「実にな、だからそなた達もだ」
神々の中にいるクリュサオルの言葉に応えた。
「食べるのだ」
「オリーブを使ったものを」
「そうするのだ、いいな」
「それでは」
「全く、また負けたではないか」
ポセイドンはこうも言った。
「アテネの取り合いにもな、そしてな」
「オリーブのことでもですね」
「アテナに負けた、しかしな」
「それでもですね」
「今回はよしとしよう」
こう言いつつオリーブで味付けされた海の幸を楽しんでいった、ポセイドンはそれからもオリーブを使った料理を楽しんでいった。それは今もギリシアの海の中で続いているという。
神の料理 完
2022・3・14
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ