第一章
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神の料理
この時オリンポスでは知恵と戦いの女神アテナが神々に料理を振舞っていた、それはオリーブを使ったものだった。
神々は凛とした美貌の女神が作った料理に舌鼓を売っていた。
「いや、美味い」
「全くです」
「アテナ女神は料理も上手だな」
「ただ知恵があるだけではないですね」
「手芸の女神でもあるが手先の器用さが出ているか」
「そして繊細な性格も」
「だからこの美味しさなのですね」
食べながら笑顔で言っていた、そしてアテナは笑顔で話した。
「今回の料理の秘訣はオリーブです」
「それだな」
ゼウスは主神の座から満足している顔で応えた。
「オリーブを使うとな」
「この様にです」
「美味なものになるな」
「オリーブの実だけでなく」
アテナは自身の父でもある主神に話した。
「油もです」
「オリーブから採れるな」
「それも使えるので」
だからだというのだ。
「この味です」
「そうだな」
「オリーブこそはです」
アテナはさらに話した。
「今回の全ての料理の要であり私が作る料理はです」
「オリーブがだな」
「肝心です、オリーブはあらゆる料理を美味しくするものです」
アテナは笑顔で話した、オリンポスの神々はアテナのその言葉を聞きつつ彼女の料理を楽しんだ。だが。
その話を聞いてだった。
海界の主神であるポセイドンかつてアテネの神の座をアテナと争ったこともある彼はその争いに負けたことを思い出して不機嫌な顔で述べた。
「オリーブがか」
「はい、その様にです」
彼の息子の一人である槍を持つ神クリュサオルが応えた。
「言われているそうです」
「戯言だ」
ポセイドンは海界の主の座から怒って言った。
「それは陸の肉や作物に対してでだ」
「海のものにはですか」
「通じるものではない」
こう言うのだった。
「陸のものは陸のものでだ」
「海のものはですね」
「海のものだ、魚醤を使ってこそだ」
ポセイドンはそちらを出して話した。
「海の幸は美味い、それを考えるとな」
「アテナ女神の言われることはですね」
「間違いだ」
ポセイドンは言い切った。
「断じてだ」
「その様なことはありませんね」
「あってなるものか」
こうまで言い切った。
「何ならわしが海の幸を用意するからだ」
「それを使ってですね」
「オリーブで料理してみろ、それで美味いならだ」
それならばというのだ。
「わしもだ」
「認められますね」
「海には海だ」
ポセイドンはまたこう言った。
「オリーブは陸のものだ、合う筈がない」
「ではこれより」
「アテナ女神に言う」
彼女自身にというのだ。
「我が兄弟を通じてな」
「ゼウス様にですね」
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