第一章
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社会のダニ
江田理はジャーナリストである、だがその文章もテレビでのコメントも非常に評判が悪いことで有名である。
「こいつまた嘘言ってるな」
「出鱈目ばかり言ってるな」
「極左の運動家そのままじゃないか」
「チョッパリが付き合いの言葉?嘘吐け」
「チョッパリって差別用語だろ」
「そんな誰もが知ってることで嘘言うんだな」
面長で眼鏡の奥に自分以外の誰もを見下していてそれと共に非常に卑屈な感じのする冷淡な目を持ち白い頭を中央で分けた彼を見て誰もが言った。
「日本人があっちで襲われた話は握り潰していたらしいしな」
「何かって言うとあっちの肩持って日本攻撃するな」
「レーダー照射だってそうだな」
「皇室も反対だしな」
「こいつ本当に日本人か?」
「あの国の工作員だろ」
「あっちに行った時に関係出来たんだろ」
とあるテロ支援国家の存在も囁く者が出ていた。
「言ってることがあの国の工作員そのままだしな」
「レーダー照射なんか日本を逆に批判してたしな」
「あっちが仕掛けてきて嘘言ってるってのに」
「こいつ本当におかしいだろ」
「身元洗った方がいいぞ」
「こんな奴テレビに出すな」
「公安何やってんだ」
こうした話も出ていた。
江田は兎角悪質な輩とみなされていた、それでだった。
ある番組を下ろされて活動家達は言った。
「江田さんは権力に批判的だからな」
「それで盤見下ろされたな」
「国家権力の圧力だろ」
「いつもながら汚いことをするな」
彼等はこう言っていた、だが。
ネットでは多くの者がこう言っていた。
「あんな奴番組下ろされて当然だ」
「嘘と出鱈目と日本の悪口しか言わないからな」
「工作員なんか出すな」
「というかもうテレビから消えろ」
「二度と出て来るな」
こう話していた、そして。
この中でだ、ある大国が侵略戦争を行ってだった。
世界各国がその国を批判して経済制裁や様々な政治的圧力を与えた。そのうえで侵略戦争に対していたが。
江田の出ている番組でその大国の安全保障を専門としているという識者が言った。
「真実を見ようとしない人達がいますね」
「そうですね」
江田野はその通りだと頷いた。
「いつもそうですね」
「それもかなり多くですね」
「そうですよね」
「政府とかの規制に乗って」
そうしてというのだ。
「あの国だけが悪い戦争なんてのはない」
「そう言ってますね」
この識者は大国を批判していた。
だが江田はこう言った。
「市民的意思表現の自由がです」
「大事ですか」
「そうです、メディアの自由な報道がです」
これがというのだ。
「大事ですよね」
「その通りですね」
かなり偏っていると言
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