第10章 アルバレス帝国編
第46話 真相
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存在…そうですね?」
メイビスの言葉に、酒場の皆は息を呑み、表現しがたい感情を生む。先の冥府の門、そしてファースト・ディマイス・ウォーの際に、アレンとゼレフの関係を、触り程度ではあったが、ゼレフ本人から聞いていたのだ。故に、アレンとゼレフが友であることは、皆認知していた。
だが、今回の敵はゼレフ…。それはつまり、友との殺し合い、戦いになる。アレンの感情がどのようなものであるのか、皆は固唾をのんで捉えようとしていたのだ。
「初代の言う通りだ…だが、その点に関しては心配いらない…約束だからな…」
「約束…ですか?」
アレンの言葉に、メイビスは怪訝な様子を見せる。
「『もしお前が大きく道を踏み外したとき…その時は友としてお前に引導を渡してやる』…とな…当時は殺してくれと俺に懇願するゼレフの気持ちを踏みとどまらせるために放った言葉だったが…結果としてその約束を果たさなければならなくなってしまった…」
アレンはそう呟きながら、手すりに身を預け、俯いて見せる。その様子を見て、皆が苦悶の表情を見せる。そして、確信する。アレンにとっても、ゼレフは本当に友と呼ぶべき存在であるのだと…。故に、その友を自身の手で殺すという決意を固めたアレンの姿に、同情と悲しみを持ったのだ。
「それに、恐らくゼレフも俺を本気で殺しに来るだろう…ウルキオラとバルファルクを差し向けてくる可能性もある…」
ウルキオラとバルファルク、その強者の名を聞き、皆の表情が些少の引きつりを見せる。それを見てか、アレンが2階から階段を伝っておりてくる。
「タイミング的に、バトンタッチってことでいいですか?初代?」
「ええ…」
アレンは階段を降りながらメイビスに言葉を掛ける。そして、アレンが壇上に足を踏み入れるのと同時に、ヒノエとミノトがアレンの少し後ろに控えるようにして立つ。
「それじゃあ…俺から…いや、俺たちから話しておかなきゃならないことを話すぜ…」
アレン、ヒノエ、ミノト、3名がフェアリーテイル全員の視線を奪うようにして注目を浴びる。
「アレンさん、そして私達からお話ししなければならないことは4つ。三天黒龍のこと、バルファルクのこと、破面引いては十刃のこと、そして…」
「私たちの元居た世界…竜満ちし世界についてです」
ヒノエとミノトが、そう呟くと、アレンはゆっくりと先の話を語り始めた。
アレンから最初に齎された話は、三天黒龍の中でもこの場にいるもの全員が遭遇した煌黒龍アルバトリオンの話であった。アレンがフィオーレ王国辺境の地にて、煌黒龍との交戦且つ黒闇竜アクノロギアの乱入があった戦いは聞き及んでいた。しかし、アレンから発せられた言葉は、信じられない者であった。
「…つまり、煌黒龍の力は、アレンの全力をも超えるってことか…」
「ああ、卍解状態ですら、アルバトリオンに終始
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