第10章 アルバレス帝国編
第46話 真相
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イとナツが、どこか悔しそうに言葉を漏らす。
「それに、アレンの左腕が…」
「ヒスイ王女やメストが言っていたことは本当だったということか…」
「アルバトリオンとの戦闘、そしてアクノロギアの乱入によって失ったって話よね…」
カグラ、ウルティア、ミラが悲しそうな表情を浮かべる。マカロフ救出のためにアルバレスへ潜入していなかったメンバーも、アレンが無事だったことの喜びと、左腕を失っていた事実、そしてバルファルクから先のメンバーを逃がすために囮となったことに対するやるせなさで、言葉では言い表せない感情を見せていたが、エルザの力強い言葉により、それはかき消されることになる。
「心配はいらない!アレンは約束した!必ずここに戻ってくると…そして…」
エルザは一度言葉を止め、首から下げ、胸に挟むようにしていた小包を取り出す。
「このいにしえの秘薬があれば、アレンの腕を、引いては目も治すことができる!!だからなんの心配もいらん!!」
エルザの言葉に、皆は一瞬言葉を失ったが、エルザの力強い目と言葉に、それに呼応する形で歓声を上げる。
そうしていると、マカロフが一段高い壇上に身を乗り出し、杖を床へと叩きつける。その音を聞き、酒場には一瞬で静寂が訪れる。
そして、マカロフは皆に謝罪を述べる。フェアリーテイルを解散させたことで、皆の帰る家をなくしてしまったことへの謝罪であった。しかし、それに対する皆の返答は、特に気にしている様子はないものであった。フェアリーテイルの皆を守るために行った行動であったことは、メストの口から伝えられていたからだ。それを聞いたマカロフはゆっくりと壇上から降り、すぐそばにある机へと足を伸ばす。その机には、アラキタシアとイシュガルの大陸が描かれた一枚の地図があり、その上にイシュガルとフェアリーテイル、そしてウルキオラとバルファルクを模した小さな駒が置かれていた。マカロフは手に持つ杖をその地図の上に乗せると、小さく口を開いた。
「…皆も聞き及んでおると思うが、アルバレスの皇帝は黒魔導士ゼレフじゃった…。故に、天彗龍バルファルクと、アレン以上の力を有するウルキオラも共に行動しておる…。それ故、わしの策は無意味じゃった!…アルバレスはここに攻めてくる!!」
マカロフの言葉に、皆は怪訝と驚きを混ぜたような表情を浮かべる。
「巨大な大国が…天彗龍が…黒翼の悪魔がこのギルドに向かい進軍してくる…」
マカロフがそう呟くと、ナツが異議を唱えるように大声を上げる。フェアリーテイルは今まで強大な敵と何度も戦ってきた。今回も皆で力を合わせれば必ず勝てる。そう力強く放った言葉が、マカロフだけでなく、皆を鼓舞するに至る。
「わしも同じ思いじゃ…ナツ…」
それを感慨深そうに噛みしめるマカロフは、低く唸るように呟いた。
「よいか!我が家族に噛みついたことを後悔
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