第三十三話 夏が近付いてその九
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「それまでお世話になっていて感謝もしなくて」
「それでなのね」
「それを普通に周りに文句言ったのよ」
「何か駄目過ぎるわね、人に言うなんて」
「無神経でしょ」
「呆れる位にね」
「器が小さくて甲斐性なしで恩知らずでね」
「無神経ね」
留奈は顔を顰めさせたまま言った。
「そうした人ね」
「そうよ、こんなこと言って人が聞けばどう思うかもわからないし」
「最低と言っていいわね」
「偉そうに言ってそんな人だったのよ」
「それじゃあその人が批判している仕組みの中の人の方がいいでしょ」
「遥かにね、だから皆から匙を投げられてね」
つまり見捨てられてというのだ。
「甘やかしているこれまたどうにもならない親が亡くなったら」
「誰もいなくなったのね」
「この親御さんこの人のことを頼むって言い残したけれど」
「そんな人だとね」
「この親御さんも皆から嫌われていたそうだし」
このこともあってというのだ。
「誰も遺言無視してね」
「ホームレスね」
「半分いなかったことにされてね」
そうまでされてというのだ。
「そうなっているの」
「普通奥さんに逃げられて反省するわよね」
留奈は眉を顰めさせて首を捻って述べた。
「それで最悪一回ホームレスになって」
「改心するわね」
「それでも改心しなかったの」
「そうよ、ホームレスになっても見付けてもらって」
そうしてというのだ。
「また奥華の系列でお世話になったけれど」
「行動あらためなかったのね」
「親戚の人のお葬式の後の食事の場で上座に上がったのよ」
「上座?」
「そう、亡くなった人のご家族が上座に上がるけれど」
葬式の後の食事、大抵は昼食になるその時にというのだ。
「それでもね」
「その時になの」
「誰も言ってないのに」
「上座に上がったの」
「勝手にね」
「それって悪いのね」
「無礼千万よ、それを人前で平気でやって」
そうしてというのだ。
「皆顔を顰めさせたそうよ」
「そうなったの」
「あまりにも無神経で無作法でね」
「何か何もないどころか悪いものばかり持ってる人ね」
「そうした人に誰もなりたくないでしょ」
「末路見えてるしね」
「だからホームレスになったのよ」
一度なって再びというのだ。
「もう誰も探してないわよ」
「見捨てられたから」
「そうなったからね」
それ故にというのだ。
「お母さんも他の人もね」
「言ってるのね」
「どうしようもない人って八条グループの中でも言われてるのよ」
「グループの人でなくても」
「経営者の人達が信者さんの教会の系列の人だったからよ」
そうした縁があるからだというのだ。
「それでよ」
「言われているのね」
「そうなのよ」
「悪いお話って伝わるの
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