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TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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いかけたところで司令室にアラートが鳴り響いた。
「何だ?」
 タツミ隊長がすぐさま立ち上がる。アキトがコンピューターを操り、状況を確認した。 「都市部郊外D地区に巨大生物の反応」

 ふと、通信の向こうでアラート音がなってケンゴは我に返った。怪獣出現を知らせるアラートだ。通信を介して基地の司令室がバタつきはじめるのが聞こえた。
「都市部郊外D地区に巨大生物の反応」
 アキトが読みあげた場所はケンゴがいる場所からそれほど遠くはなかった。
「わかりました、僕が先に行きます」
「待て、マナカ隊員。応援が行くまでは無茶をするな」
 しかしケンゴはすでに近くに停めておいたパトロール用車両の場所まで駆け戻り、そのまま発車させていた。
 通信の返事がないことに溜息をつきながら、タツミ隊長はアキトに指示した。
「仕方がない。我々もナースデッセイ号で応援に向かう」
 それを耳にした操縦席のサクマが待ってました、と威勢のいい声をあげると、コントロールパネルの前で両手をかざした。
「ナースデッセイ号、発進」

 次元を越えてなんとか逃げ延びたチャリジャは自分が再び、トリガーの世界に戻っている事に気が付いた。薄暗いビルの影がさす裏通りに派手に転げ落ちると、チャリジャは怪人体のままぶつぶつと文句を言いながら、起き上がり、周りを見回す。
「なんだ、またここに戻ってきたのか」
 ――ウルトラマンめ、またも邪魔をしてくれたな。
 本当であれば地団駄を踏んで悔しがるところだったが、チャリジャはそれどころか抑えきれない、という調子で笑い出した。
 ちょうど次元を越える時にその狭間で思わぬ拾いものをしたのだ。チャリジャは手の中にあるその拾いものをうっとりとした手つきで撫でながら眺めた。
「おのれ、ウルトラマンめ。目にもの見せてくれる」
 そう言ってメダルを空高くまで投げると、チャリジャはステッキを向けた。
「いでよ、デザストロ」
 チャリジャが吠えるように声を上げると共にステッキの先から紫色の光がほとばしり、メダルをとらえた。強い閃光で目がくらみそうになったあと、巨大な影が辺りを覆った。

 アキトの話していた場所にたどり着くと、そこは山間の場所で、ちょうど先ほどティガと一緒に怪獣たちと戦った場所にもすこし似た風景をしていた。TPUの隊員たちと、その指示に従って逃げる近隣の住民の姿が見えると、ケンゴは車の窓から顔を出して隊員の一人に声をかけた。
「お疲れ様です、住民の避難はどれくらいで済みそうですか」
 すると辺りの喧騒に負けじとケンゴに声をかけられた隊員は声を張り上げた。
「もう、この方々さえ逃げられれば完了です」
 ありがとうございます、とケンゴが答えると、隊員はキャップに手をかけて頭を下げた。
「怪獣はあの先です。私はこれからあの
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