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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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た。
「まだ、意識はしばらく戻らないだろう。休ませてやった方がいい」
 デビルスプリンターの力がどういうものかはわからないものの、レイブラットの力の類による干渉を受けたということは身体的にも、そして精神面でも少なからず傷を負っているはずだった。
 ――果たして、こいつはもう一度ウルトラマンとしてやりなおせるだろうか。
 キングによって救われた自分と違い、ゼロは並々ならぬ邪悪な因子の干渉を受けている。それだけではなく、あそこまでの干渉を許したということはゼロ本人の心のなかにも大きな隙があるということだった。ベリアルが心のうちでそんな事を考えていると、いつの間にかもう一人のジードがベリアルの傍らに立って言った。
「彼は僕の世界では立派な戦士です。数々の星を救い、何度も宇宙を危機から救ってきた。けれども、そんな彼でも一度は過ちを犯し、自分と向き合うことで立派な戦士になっていった」
 きっと、彼にも出来るはず、とベリアルに言いながら、もう一人のジードの姿はいつの間にかこの世界のジードとまったく同じ姿に変わっていた。おそらくこの世界のジードと年は変わらないのか、もしかすると、もう一人のジードの方が若いのかもしれない。けれども、その気配や顔つきから彼がこの世界のジードとは比べ物にならないほど幾多の困難や危機を乗り越えてきたのだ、とベリアルには読み取れた。
「ありがとう、もう一人の僕」
 この世界のジードが向き直り握手を求めると、もう一人のジードは嬉しそうに応じた。
「君の覚悟、格好よかったよ」
 そんなことないよ、とこの世界のジードは照れくさそうに話した。
「あの時はああするしかなかったんだよ。僕がやらなきゃ、と思って」
 もう一人のジードが笑いながら何かをつぶやいたので、この世界のジードが今なんて言ったの?と訊き返した。すると、
「ジーっとしても、どうにもならない。勇気が欲しい時の言葉でね、大事な仲間に教わったんだ」
 それから、もう一人のジードはベリアルの方へ向き直り、手を差し伸べた。ベリアルがその手を強く握ると、もう一人のジードは何やら不思議な表情をしたのでベリアルは気になった。嬉しそうな様子を見せながら、その反面彼の顔には陰りがあった。
「感謝する、別の世界の息子よ。お前と、それにこの世界のジード、お前たちがいなければ絶対にゼロを救い出す事は愚か、この宇宙ですら揺るがしかねないところだった」
 こちらこそ、ともう一人のジードが答えた。
「僕は元々デビルスプリンターを追っている内にこの宇宙へやってきたんです。僕のいる宇宙ではデビルスプリンターだけでなく究極生命体という、次元を越えて別の宇宙に介入できる敵が色々な場所で暴れまわっていました。ある時、彼がデビルスプリンターをこちらの宇宙に送り込むのを阻止することが出来なかった。そのせい
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