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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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体は真紅のマントと黄金の鎧に包まれていた。マントを翻すと、その手には杖とも見えるような剣を手にしている。そして、ウルトラホーンが伸びていた頭部は今、黄金の冠にも似た意匠をしていた。
――まるでウルトラマンキングだ。
 ベリアルはその姿に目をとられた。この世界のジードもまた呆気にとられている。黄金の鎧のジードは軽やかな動きで宙を飛び回り、アークゼロを翻弄していた。その間に、ベリアルはこの世界のジードの方へを向いて声をかけた。
「今だ、行くぞ」
 この世界のジードがうなずく。二人はそれぞれに散り、アークゼロの背後に回った。ジードはアークゼロの右後ろの少し離れた崖、ベリアルは塔のように突き出した岩山の上に着地し、アークゼロの背部の結晶の角を狙うタイミングを待っていた。黄金の鎧のジードも二人の様子を目の端で捉えると、なんとか二人からアークゼロの背中が捉えられるようにアークゼロを誘導した。その時、アークゼロが不意に吐き出した炎がもう一人のジードを包み込んだ。息を飲むべリアルの反対側でジードが短く絶望の呻きを上げているのが聞こえた。炎の勢いは強く、ジードを完全に飲みこみ、焼きつくそうとしているように見え、二人とも思わず目を逸らした。
 けれども、アークゼロの苦悶の声を耳にして二人は再び目を戻した。アークゼロの炎が別の光によって押し戻されていくのが遠くからでも見えるとともに、もう一人のジードの勇ましい声が響いた。
「――レッキング・ノヴァ」
 炎を十字の光線で跳ね返していくジードの姿は再び変化していた。銀色の体をラインのような赤い紋様と幾何学的な黄金の紋様で包んでいる。その上、ベリアルが驚いたのは彼を取り巻く膨大な力が、おそらく彼自身の内側から無尽蔵に、それも精神的なエネルギーの類から生み出されているものだということだった。
「父さん、僕達も」
 この世界のジードの言葉にベリアルはうなずいた。二人はそれぞれが同時にアークゼロの背中の結晶めがけて十字の光線を放った。
「――レッキングシュート」
「――レッキングバースト」
 二つの光線が背中の結晶に命中し、打ち砕いた。アークゼロの体は粒子となって散り散りに荒野の地表に降り注いだ。この世界のジードはアークゼロが消滅した辺りに目を凝らした。もしかすると、ゼロも完全に消滅してしまったのではないか?そう思い、ジードはすかざすその場所へと飛んでいった。怪獣が姿を消したあとをしばらく探すと、程なくして彼は胸を撫でおろした。岩の突き出た地形のせいで陰になって遠くから見えにくかったものの、意識を失ったままのゼロが横たわっているのを見つけたのだった。完全に邪悪な因子の支配からは開放されたらしく、体は元の体色に戻っていた。
「――ゼロ、ゼロ」
 この世界のジードが駆け寄ってゼロを揺り動かしたので、ベリアルがそれを止め
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