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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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とは悪い奴だ」
ケンはそう言うと、すぐに今しがた見ていた大画面の星雲図に目を戻した。星雲図に映し出された膨大な数の星のいくつかの上に、ここ最近怪獣出現したことを表すマークが表示されている。その数は尋常ではない数に達しようとしていた。
「宇宙全体に何か起きようとしている」
ケンは呟くように言うと、そこで言葉を切った。しかし、ベリアルには彼が口に出さなかった言葉が何かわかっていた。まるで、あの時と同じだ、と。かつて、『皇帝』と呼ばれた恐るべき闇の暴君、エンペラー星人との間で起きた『ウルティメイトウォーズ』。あれから何千年と時間が経過しているにも関わらず、第一線で戦闘に赴いたケンとベリアルの脳裏にはあの時の凄惨な記憶が褪せることなく刻みつけられていた。特にベリアルにとっては痛々しい記憶であった。エンペラー星人の圧倒的な力を前にして彼は自分のなかに芽生えた恐怖に戦慄し、己を恥じた。そして、その恐怖を越えるための力を心のうちで求め、あの時過ちを侵したのである。
あの頃、ケンはエンペラー星人の襲撃をきっかけに創設された宇宙警備隊の初代隊長に任命されたばかりだった。銀河をかけめぐる戦士たちの指揮をとるのに忙殺されるケンの横にはマリーが必ずいた。マリーは常にケンを支え、その眼には純粋な尊敬と深い愛情が宿っているのをベリアルは遠目に見て感じていた。その眼差しを見る度に、孤独と、劣等感が襲い掛かってきた。通り過ぎる同族の者たちの他愛ない笑いさえ自分に向けられた嘲笑に感じられる時もあった。
次第にベリアルは己に問いかけるようになった。
力が欲しい。でもどうやって?エンペラー星人のような恐るべき敵をも恐れぬ力。ケンのように周囲の尊敬や愛情に囲まれた場所。その場所に立つにふさわしいという証、ベリアルにとってはそれもまた『力』だった。
実力だけを追い求めてきたベリアルにとっては、力の探求だけが正義だった。
「その通りだ」
やがて自分の心か、それともまったく別のものによる言葉なのかもわからない声が彼に囁きかけた。
「力がすべてだ。求めろ、そうすれば与えられる。お前は『彼』を越え、欲するものを手に入れることができるのだ」
ベリアルのいる場所から遠くではあるが、宇宙警備隊本部を見下ろすことができた。隊長として誇らしげに努めるケンの姿が、それから思わずマリーの顔が脳裏に浮かんだ。何気なく本部から目を離すと、煌々と輝くプラズマスパークタワーが目に映った。結晶の群れのような光の国の都市はこのプラズマスパークタワーの光を受けて輝いている。遠い昔に科学者達が死滅した太陽の代わりとしてこのタワーに
人工太陽
(
プラズマスパークタワー
)
の光を灯した。我々光の国の住人は元々今より脆弱な肉体を持っていたのだが、その人工太陽の光を浴びることによって進化し今日の肉体を得たのだ
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