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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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そらく初手から有効な攻撃を放つべく用意をしているのが見て取れた。しかし、それをこの世界のジードが彼の肩を掴み制止した。
「やめて、あれはゼロ、いや、僕の友達なんだ」
「ゼロ?なんだって――?」
 ゼロという名前を耳にして銀色の鎧のジードは驚きの声を漏らした。もう一つの世界にもウルトラマンゼロがいるのかもしれない。少なくとももう一人の鎧のジードはその名前を知っている様子と見て取れた。途端に彼は攻撃の体制を崩し、エネルギーの波動は弱まった。
「それじゃあ、どうしたら――?」
 鎧のジードは相手を伺いながら考えを巡らせている様子だった。その間にもアークゼロの攻撃は止むことがなかったため、三人はそれぞれに攻撃を交わすことに気をとられた。長い尾を鞭のように振るい、ベリアルも二人のジードもうまくかわすものの、時折その攻撃をまともに食らった。その上、尾を振るうことで凄まじい砂嵐が巻き起こり、三人の視界を奪うとともに、身動きを悪くさせた。
 混乱の中でなんとか鎧のジードの近くまで来ると、ベリアルは彼に考えを伝えた。
「奴の背中にあるあの角はおそらく邪悪の根源だろう。あの角を攻撃すればもしかすると、あいつを闇の支配から救い出せるかもしれん」
 しかし、相手の背中をとるのは簡単なことではなかった。アークゼロはおそるべきほどの巨体を持ちながらその身のこなしは決して鈍重ではなく、その立ち回りと自在に操る尾、それから、体のそこかしこから放たれる光線や炎によって死角が一切存在しないものに見えた。
 もしも、自分が刺し違える覚悟で奴の動きを封じ込め、その間に二人のジードが遠くからでも背中の角を攻撃し破壊してくれたら――。ベリアルが二人のジードに指示を出そうとしたところで鎧のジードはこう言った。
「僕がゼロの動きを止めます。その間に、父さんともう一人の僕は背中の角を」
 よせ、無茶だ、とベリアルが止めようしたところ、鎧のジードが少し笑って言った。
「きっと父さんに任せたら、自分は死ぬつもりで彼に向かっていくでしょう。大丈夫、僕に任せて」
 鎧のジードはそう言うと、立ち上がり、両の拳を前に突き出して前進した。突進してくるアークゼロの巨体はジードの五、六倍、ウルトラマン一人の体を片手で握りつぶせるような大きさだった。最初、ジードはアークゼロの足をとらえて動きを抑え込もうとした。その様子を見ていたベリアルとこの世界のジードには無謀に見えたものの、驚くことにアークゼロの動きは一時押しとどめられた。しかし、激昂したアークゼロは力の限りを込めてジードを弾き飛ばした。弾き飛ばされて地面にたたきつけられたジードは素早く立ち上がった。
「――変えるぜ、運命」
 一瞬のうちにもう一人のジードが姿を変えたのでベリアルとジードは思わず目を見張った。変身を遂げ、紫色の紋様に早変わりした
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