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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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ート――」
「レッキングバースト――」
 二つ光線は交差して怪獣の背中の角を狙った。ジードもベリアルも、その背中の角にデビルスプリンターの力が集中していることを直感していたのである。しかし、アークゼロは巨大な見かけに反して素早い動きでそれをかわした。
 そのうちにアークゼロが動きを止めてジードを見据えた。ベリアルがその隙に攻撃を仕掛けようとしたところで、すぐ側でジードが叫び声を上げて注意が逸れた。見ると、ジードは頭を抑えてなにやら苦しんでいる様子だった。ベリアルが駆け寄った時、彼の青い羽根のような形をした目は赤く染まり始めているところだった。彼の中に残留しているデビルスプリンターの力を通じて、ジードに干渉している。このままいけば、ジードの精神までゼロやかつてのベリアルと同じようにコントロールされてしまうだろう。
 べリアルはアークゼロに向き直り、矢継ぎ早に光線や光弾を放った。しかし、アークゼロに干渉を止めさせるほどのダメージを与えている様子はない。それどころか、アークゼロはジードへの干渉と同時に矢継ぎ早に光線での攻撃を返してきた。ベリアルは身動きできないジードを庇ってそれを受けるうちに、遂には倒れかかってその場に膝をついた。
 ――プラズマスパークの力を与えられても、俺はこんなものか。
 ベリアルは内心でうちひしがれていた。宇宙の平和どころか、息子一人さえ守れない脆弱な戦士に何故、プラズマスパークは力を貸したのか?その時に、ベリアルはプラズマスパークが彼に力を与えた時のことを思い出した。あの、自分自身で口に出した言葉を。
 ――あいつは俺の息子だ、俺が守ると決めた。
 アークゼロからの砲撃が再度始まった。しかし、ベリアルの意思とは関係なく二人を覆ったバリアがこれを跳ね返した。
 ――これがプラズマスパークが与えてくれた力だったのか。
 プラズマスパークが与えてくれた力、それは攻撃のためではなく、守るための力だったのだ。それを理解すると、べリアルは息子の方へと向き直った。息子に呼びかける言葉にふさわしいものは考えるほどにうまく見つからないものだとはこれまでのことで知っている。ベリアルはただ自分のなかにある言葉を、偽りのない実直なものだけを言葉にして静かに語り掛けた。
「ジード、以前の俺はお前に自分と生き写しであることを望んで押し付けたのかもしれない。けれどもお前はそれに抗った。自分でありたい、と願った」
 俺は嬉しい、それでこそ俺の息子だ。ベリアルは心の底から呟いた。
「けれどジード。自分であるということは覚悟が必要だ。何者にも流されない、覚悟だ。それからどんな自分でも受け入れていく覚悟。目を逸らさない覚悟。お前に覚悟は決められるか」
 ベリアルは言葉を切った。彼はジードの言葉を待っていた。しかし、ジードの口から苦悶の雄たけび以外は
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