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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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を見つめて「感謝する」と力強く言葉に出すと、その場を飛び立った。まだ、この距離であればジードの気配を追うことが出来る。ジードの気配は光の国を抜けて宇宙を突き進んでいた。
辺り一面が石灰色で荒涼とした不毛の大地が続く惑星D20の地表に、ゼロがまず降り立った。その気配を受けてか、ざわめくように風が強まり、彼が地面に着地すると共に砂埃が舞った。大した歓迎だ、とゼロはせせら笑うような声を漏らした。星が、彼の来訪に怯えていた。砂埃が落ち着いて辺りを見渡せるようになったところでゼロは探していたもの、いや、自分を呼んでいたそれを見つけ出した。地面から生え出るようにして姿を見せていたデビルスプリンターは惑星アルガで見たものと同じように脈打ち、ゼロを歓迎しているようだった。
ちょうどそれに歩み寄ろうとしたところで、惑星アルガの時と同じ具合に邪魔が入った。ジードが後を追ってゼロのすぐ近くに降り立ったのだった。
「しつこい奴だな。死にかけの親父を置いてここまで来たか」
「父さんはあのくらいじゃ死なない。それに、君は僕が止める」
出来るものならやってみろ、と鼻で笑いながら、ゼロはデビルスプリンターへと手を伸ばした。しかし、ジードがすかさず技を放った。
「――レッキングリッパ―」
半円の形をした光の刃がゼロを狙い、彼は間一髪のところで攻撃をかわした。攻撃の勢いには迷いが一切感じられなかったことで、ゼロは内心驚いていた。
「驚いたな、お前がそこまで思い切るだなんて」
ゼロはジードに向き直った。今度はゼロが素早く光線を放った。
「――ワイドゼロショット」
ジードも素早く構えてこれに応じた。
「――レッキングバースト」
二つの光線がまともにぶつかり合い、辺りを爆風が包んだ。
「まさかお前がそんな技を使うとはな」
ゼロは光線の構えをとったままのジードを見て呟いた。ジードの構えは父と同じく十字に腕を組むスペシウムの型をとっていた。それに、光線のエネルギーの波動も限りなく父ベリアルの技にに通っていた。
「結局はお前も親父の模造品に成り下がる訳だな」
ゼロが挑発すると、違う、とジードは強く声を上げた。
「僕は確かに父さんの息子だ。けれども、僕は僕だ。どんな技を使っても。それから――」
ジードは固く拳を握りしめた。
「例えどんな姿をしていても、僕はウルトラマンだ」
「馬鹿な奴め」
そう言って、ゼロはジードに再びそそのかすような口調で語り掛けた。おはやそれはゼロの声ではなかった。
「結局は今、お前のなかに流れる力も俺の中に流れる力と同じだ。俺につけば、もっとその力を増大させることが出来るというのに」
ゼロを介して語り掛ける声はジードが誘惑に堕ちるのを待っていた。ゼロはジードが抱える闇を知っていた。自分への自信のなさ、こいつの自
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