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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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手に取ろうとしたものの、スパークに手が触れるか触れないかのところで手先が焼かれ、するどい痛みが走った。どうやら、スパークがゼロの身のうちに潜むものを見破り、拒絶しているようだった。
 ――計画は失敗か。
 けれども彼はその時にまた別の気配を感じ取った。この星からそれほど遠くない惑星から、ゼロが惑星アルガで見つけたあの破片と同じ波動が流れ来ている。あの破片と同じくして次元を越えた破片が偶然にもこの近くの惑星にたどりつき、ゼロに波動を送って呼び掛けているのだ。あの破片の力を吸収すれば、スパークで増大させたほどではなくともいくらか今よりマシな力は手に入るだろう。しばらくの間はそれでしのぐほかあるまい。
 ゼロは宇宙警備隊がたどり着かないうちにその場を飛び去り、タワーの天井を突き破って逃亡した。ジードはすぐさま後を追いかけようとしたものの、ベリアルがこれを止めた。
「待て、ジード。いくな」
 ジードはベリアルの手を振りほどこうとした。
「今、ゼロを支配しているものはこの宇宙でもっとも邪悪な力だ。いけば殺されるかもしれん」
 俺がいく、とベリアルは身を起こそうとしたが、あえなくまた体勢を崩しその場に倒れこんだ。その時、ジードは素早く父の制止を振り払うと、
「僕、行くよ。僕、父さんの息子だから、――ウルトラマンだから」
 飛び去るジードを見届けながら、ベリアルは自分の動かぬ体を呪った。
 やがてケンとゾフィー達が到着し、ベリアルに駆け寄った。
「べリアル、しっかりしろ、ベリアル」
 ケンがベリアルを抱きかかえて呼び掛けると、ベリアルは大丈夫だ、と切れ切れに声を発した。
「ケン、俺を起こしてくれ。ジードが一人でゼロを止めに行った。俺もあとを追わねばならん」
 ゾフィーが首を横に振った。
「駄目だ、べリアル。二人は私とタロウで捜索する。こんな体で行かせる訳にはいかない」
「あいつは俺の息子だ」
 ベリアルが断固とした口調で言った。
「あいつは俺が守ると決めた」
 それに、ベリアルはほんの束の間ゼロの変わり果てた姿を見た。漆黒の体に赤い紋様。まるで夢で見た闇に落ちた自分の姿と同じ有様だった。一刻も早くレイブラットの支配を解かねば、手遅れになる。
 その時、タロウが驚きの声をあげたのが聞こえた。タロウが指さす方へ目を向けると、にわかに光を強めたプラズマスパークから淡い光が放射されるところだった。光はまるで手を差し伸べるようにベリアルに降り注いだ。間もなくして、ベリアルのカラータイマーの警告は止み、その色は青い輝きを取り戻した。ベリアルは驚くほど軽くなった身を勢いよく起こしながら、しばらく呆気にとられていた。周りの戦士たちも驚きを隠せず、中でもケンは思わず声を漏らした。
「こんなことが――光の国ではじめてのことだ」
 ベリアルはスパーク
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