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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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備隊はそんな彼を危険視し、なかなか認めようとはしなかった。
反芻される怒りや憎しみが狂気じみた勝利の快感に移り変わるのを味わいながら、ゼロは芝居じみた調子でプラズマスパークの光に手を伸ばした。
その時、彼の手を捉えた別の手を彼は瞬時に振り払った。ゼロを止めた手はジードのものだった。最初からゼロを止めるつもりでついてきたのだ、とゼロは即座に理解した。
「俺を裏切るとはつまらないことを考えたものだな」
すると、ジードが静かに言葉を返した。
「裏切ったのは君じゃないか。ここは君の故郷なのに」
「故郷だと?」
ゼロは嘲り笑った。
「知らねえな。そんなものは滅ぼしてやる」
ゼロがそう言うと、ジードはタロウから教わった戦闘の構えをとった。
「何の真似だ?」
ジードは内心に秘めた迷いを見せぬよう、戦闘の構えを崩さないまま、ゼロをまっすぐ見据えた。
「ゼロ、君は僕が止める」
「そんな面をしていてもまだウルトラマンのつもりか」
ゼロがせせら笑うとジードは身を固くした。もちろん、ゼロはその時に生まれた隙を見逃さなかった。ジードに向けて瞬時に放った閃光が爆散し、辺りはしばらく煙に包まれた。この様子ではまともに食らっているだろうと見てゼロは満足気い鼻で笑った。
煙が散り、徐々に視界が明るくなるとゼロは驚きと怒りで言葉にもならない咆哮をあげた。ジードの前にベリアルが立ちはだかり、光線から彼を庇っていたのだった。ゼロは己の怒りが自分だけのものでないことを感じとった。それは身の内から湧き上がり、辺りをも震わせる声を響かせた。
「何故だ。一度は闇に魅せられたお前はどうしてそのような行いができる。お前はこちら側の人間ではなかったのか」
レイブラットの怨念が、ゼロの声を介して咆哮を上げた。
ベリアルはしばらくの間身じろぎもせずにジードを庇う体勢でいたものの、やがて崩れ落ちた。彼の胸のカラータイマーは鋭い音で警告を発している。ジードが慌てて駆け寄り、ベリアルを抱きかかえた。ベリアルはくぐもった声でうめよくように何か言葉を発していた。ジードが顔を近付けて聴くと、彼は息子にこう言っていた。
「逃げろ、ジード」
あの光線をまともに受けてまだ生きていられるとは。ゼロは怒りで拳を握りしめていたが、不意に力が抜けたように笑いを漏らした。
「まあいい、これでトドメだ」
――今度は親子ともども消してくれる。ゼロは腕をL字に構えた。ジードはそれがゼロのとどめの構えであるのをよく知っていた。けれども、遠くから矢のような音でこちらへ向かってくる何かがあるのをゼロの感覚は捉え、彼の動きは止まった。やってきたのはウルトラの父だった。おそらくゾフィーやタロウ、その他のものたちも一緒だろう。彼らを一度に相手するのは厄介だ。
ゼロは手早くプラズマスパークを
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