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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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う言うと、ベリアルは努めて心中を見せないようにそうか、とだけ答えた。
すぐ近くで倒れていたジャックが息も切れ切れに彼に言った。
「気をつけてください。ゼロの様子はおかしかった。おそろく怪獣たちと同じようになんらかの力の干渉を受けているはず」
ベリアルの脳裏にあの破片が思い浮かんだ。ベリアルがジードの救出に気をとられている間に、ゼロにも干渉していたのだろう。ベリアルは自分の部隊の隊員たちに傷ついた戦士たちの保護を指示すると、一人最上階へ向かった。
「待ってください、一人で行くつもりですか」
エースが声をあげた。
「危険すぎます、私たちも一緒に行きます」
ジャックがそう言うと、80もうなずいた。しかし、ベリアルは駄目だ、と首を振った。
「その様子じゃむしろ足手まといだ。それに俺を見くびるな」
そう言って軽く笑うと、ベリアルはその場をあとにして遥か上の、プラズマスパークタワーの置かれた場所を見上げた。歴史は繰り返す、というのは「ニンゲン」の言葉だっただろうか。そして、今度はかつてその光を脅かそうとした自分がスパークの光を守る立場なのだから運命は皮肉なものだ。しかし同時にベリアルは内心、不安を拭えずにいた。もしも、この先で息子がかつての自分と同じ過ちに加担していたとしたら、自分は息子を救えるのだろうか?かつて自分が救われたような、キングが見せたような力は自分にはない。だとすると、息子の心がもしあの邪悪な囁きにとらわれたとして、何をもってして自分は彼を救うのだろうか?
そんなことを思いながら、ベリアルはプラズマスパークの場所へ向けて飛び立った。
――思いのほか呆気ないものだったな。
ゼロは手を伸ばせばすぐにでもプラズマスパークの光に届く場所まで来ていた。ここまで来るのに思った通り、宇宙警備隊の邪魔が入った。けれどもゼロの身のうちに溢れる力をもってすれば隊員たちはおろか、ウルトラ兄弟さえもひねりつぶすのは造作もないことだった。すぐ後ろには常にジードが何も言わず、うつむいて彼のそばに立ち尽くしている。先ほどまで駆け付けた宇宙警備隊の連中を蹴散らすのにも、かつての仲間と相まみえる度胸がないらしく、ジードは手を出さずに後に控えているだけだった。
この腰抜けが。ゼロは内心嘲った。しかしまあ、いい。
ジードが手を出さない代わりにゼロは手に入れたレイブラットの力を存分に振るい、連中を凪払った。今までに感じたことのない興奮がゼロの体を駆け巡ると同時に、力は力を欲し、一層彼をプラズマスパークへと駆り立てた。
ようやく、これでまだ見ぬ父やウルトラの一族を見返すことが出来る。
ゼロは頭のなかで今まで味わった孤独の記憶が駆け巡っていくままにしばらく動きを止めていた。今まで彼は孤独だった。だからこそ誰よりも力を求めたのだ。けれども宇宙警
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