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TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
TALES OF ULTRAMAN ウルトラマルチバースファイト ベリアル&ジード&GEED
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人と呼べる者もいない、一匹狼のような性分だった。若いころよりマシになっているとはいえ、それでも他者の気持ちを慮る事に関しては苦手で、ことによると煩わしくさえ感じる。だが、部隊長となった今ではそうも言っていられない。その点に関しても親友のケンを今でもうらやましく思う。彼が宇宙警備隊大隊長ある所以は持てる力の強さもありながら、きっとベリアルの不得手とする他者の心に寄り添う力が大きいのだろう。
宇宙警備隊の本部へ帰還すると入り口のポートに着地したところで本部隊長、ウルトラマンゾフィーが声をかけてきた。
「怪我はありませんか、ベリアル部隊長」
「『怪我はないか、ベリアル』でいいんだ」
ベリアルがそう言うと、ゾフィーはバツの悪そうな調子で苦笑いの声を漏らした。何万年も前から表情を無くした種族ではあるが、声の調子からお互いの感情はわかっていた。生来真面目なこの男にとって、『ウルトラの父』と呼ばれるケンとほぼ同い年でありながら、部下に当たる自分との距離感ほど悩ましいものはないだろう。
「年など気にするな、しゃんとしていろよ本部隊長殿」
そう言って最後に少し笑うと、ゾフィーもからかわれているのがわかった様子で、少し肩の力が抜けたようだった。元々ゾフィーが小さい頃から彼を知っているのだ。緊張が打ち解けたあとは、ゾフィーは昔のようにくだけた口調でベリアルに話しかけてきた。
「ベリアル、大隊長が呼んでいるみたいだ」
ケンがか?と訊くとゾフィーはうなずいた。
「貴方が遭遇したベムスター、それと同じような事象が宇宙の各所で起きているらしい。しかも、そうした事件が起きるすぐ傍では必ず邪悪な因子と次元の歪みが強い波動として感知されている」
「そいつは意思を持っているのか?」
ベリアルが訊くと、ゾフィーは首を振った。
「わからない。けれどもしそうだとすれば、宇宙全体の危機だ。ここまでの広い範囲に影響を及ぼすような力と言えば、――例えばレイブラット星人とか」
ゾフィーはその名を口にしたすぐあとで言葉が過ぎたかのように口をつぐんだ。
――レイブラッド。かつて数多の怪獣を支配下に置き、宇宙を混沌に貶めた邪悪な種族。ベリアルは一度その亡霊と対峙したことがあった。空を覆う巨大な影。そして心の隙間に忍び寄る、悪魔のささやき――。
「まあいい、なんにしろ報告をデータにまとめるのは性に合わんからな。大隊長殿に直接報告すれば話は早いだろう」
いや、データはまとめてもらうよ、と釘をさすゾフィーに気のない返事ではぐらかしながら、ベリアルはそのまま親友であり大隊長であるウルトラマンケンの待つ司令室へと向かった。
「失礼させてもらうぞ、大隊長殿」
べリアルが声をかけると、振り向いたケンは軽く笑った。
「よさないか、ベリアル。帰って来て早々親友をからかう
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