第五百七話 和歌山の馳走その三
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「まあ何というか」
「僕達はこれと言って言えないです」
「というか黒鉄家って誰が継ぐんだよ」
このことは直枝が言った。
「ぶっちゃけな」
「俺ということになっている」
王馬が答えた。
「一輝はヴァーミリオン家に入り珠雫は娘だしな」
「あんたかよ」
「そうだ」
王馬は直枝に即座に答えた。
「そうなっている」
「自分で向いてると思うか?」
「俺がか」
「そうだよ、自分でな」
「興味のないことに力を入れる気はない」
王馬は直枝に無表情で答えた。
「一切な」
「そうだよな」
「そして赤座の様な男が来てもだ」
「無視しますね」
「そうする、闇討ちなら来い」
今度は定子に答えた。
「俺は何時でも誰とも戦う」
「そうですね」
「この家かなり問題ね」
赤城が見てもだった。
「果たしてどうなるか」
「あの、若しかしてです」
元康も引きながら言ってきた。
「黒鉄家の方々は後継者育成については」
「明らかに失敗しているな」
リムルが見てもだ。
「これはな」
「そうですよね」
「他の世界のこととはいえ心配になるな」
「そうですよね」
「王馬殿しかいないのはわかった」
ゲルドも述べた。
「だが王馬殿を見ているとな」
「剣のみに生きる人だとね」
氏康も述べた。
「組織人そしてトップだと」
「問題だな」
「そう思うわ、王馬さんそういうことに興味ないし」
「見て明らかだからな」
「いつも戦場にいる人だしね」
「それならばな」
「そしてその父親と僕は似ているのだな」
薙切薊がまた言ってきた。
「そうだね」
「そっくり過ぎまして」
また珠雫が言ってきた。
「思わず後ろからでも」
「僕は料理人であって戦うことはないよ」
「しかも別人ですね」
「だから刺すことは止めてね」
顔中から汗を流しつつ真顔で述べた。
「しかも君とは初対面だね」
「そうでしたね」
「だから頼むね」
「はい、自重します」
「自重なんだ」
「間違えた時はすいません」
「間違えないでね、そこは」
薙切薊がこう言うとだった。
横からだ、緋沙子が珠雫に強い声で言った。
「間違えても問題ない、死なないとだ」
「いいですか」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「一度ぶすりとだ」
「やっていいですか」
「何なら凍らせてもだ」
本気で言うのだった。
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