第五百七話 和歌山の馳走その一
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第五百七話 和歌山の馳走
戦士達は皆浴衣に着替えて刺身や天麩羅、吸いもの、和えもの、それに煮物等を前にしていた。当然酒もある。
誰もが着替えていたが。
「見えそうね」
「そうですね」
フッドはプリンツ=オイゲンに応えた。見れば皆浴衣姿だ。
「少し油断しますと」
「浴衣はね」
「正座でないとです」
「危ないわね」
「だから大変でござる」
五右衛門は二人に話した。
「浴衣は」
「少し動くと前がはだけてですね」
迷宮蟻女王も言ってきた。
「下着もお肌も見えてしまいますね」
「やばいですね」
ペコリーヌはいつもの調子だった。
「そのことは」
「下に水着は駄目ですか?」
飛鳥はこのことを言った。
「やっぱり」
「本来は浴衣の下は何も着ないものだ」
九内が答えた。
「着物だからな」
「それはもう」
「だから下着を着られるだけだ」
「いいんですか」
「そうした理屈なのかもな」
(それは無茶だと思うがな、俺も)
九内は心の中で述べた。
(まあここはフォローしておくか)
「しかし着てはいけないという理屈もない」
「それでは」
「水着でもいいだろう」
浴衣の下はというのだ。
「法律でも決まってないしな」
「では着替えます」
こう言うと女性陣は一瞬でだった。
着替えた、飛鳥はその後で笑って述べた。
「着替えました」
「そうしたか」
(一瞬だったな)
九内はまた心の中で呟いた。
(皆変な能力身に着けたな)
「ならいい」
「はい、じゃあ安心して飲めますね」
「そうだな」
「何しろ元理事長さんがいるだろ」
竜胆は薙切を見つつ述べた。
「美味いもん食ったらおはだけ出るからな」
「ああ、もう浴衣なんてだな」
ベートが応えた。
「一発でだな」
「はだけるからね」
そうなるからだというのだ。
「それなら水着よりも」
「下着の方がいいな」
「まだね」
「というか何でそんな能力あるのかな」
ベルはこのことが不思議だった。
「薙切さんには」
「一族の方なら皆さんだそうですね」
リリルカが応えた、勿論二人も浴衣姿である。
「おはだけ出来るんですよね」
「何かと凄い人達だけれど」
「この能力もとんでもないですね」
「理屈がわからないね」
「本当にそうですね」
「思えばそうね」
薙切アリスも否定しなかった。
「凄い能力よね、私も一族だけれど」
「美味いものを食した時に感動でだ」
その薙切の言葉でだ。
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