第三十三話 夏が近付いてその六
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「どうにもならなくなって」
「親戚の人が肩代わりして」
「ホームレスになったのよ」
「色々駄目過ぎるわね」
「誰が何をしても感謝しないで教えられても」
「変わらなかったの」
「いい風にはね、それどころか不平不満ばかりで」
留奈にさらに話した。
「他の人は助けないでね」
「ケチで」
「当然お金も出さないで」
「それで自分はサラ金に手を出して」
「そんな風になったのよ」
「色々恰好悪い人ね」
「そうでしょ、こんな人になりたくないでしょ」
娘の目を見て問うた。
「何があっても」
「最高に恰好悪いわね」
「今は行方不明よ」
「ホームレスになって」
「それで死んでいてもね」
例えそうなっていてもというのだ、言うまでもなくホームレスの暮らしはいいものではなく死にも普通に暮らしているより近い。
「もう誰もよ」
「同情しないとか?」
「そんな人だったわ」
「物凄く酷い人だったのね」
「親が長男だからって甘やかしてね」
「そんな人になったの」
「そうよ、あんたにもお兄ちゃんにもそんな人になって欲しくないから」
だからだというのだ。
「言っていくわよ」
「悪いことしたら叱るのね」
「人の道にないことをしたらね」
その時はというのだ。
「こうした人になるから」
「そうなのね、しかしね」
「どうしたの?」
「私お母さんが今言った人のこと聞いたことあるかも」
留奈は母に首を傾げさせつつ話した。
「ひょっとしたら」
「有名な人だからね」
「そうなの」
「あんたの通っている学校八条グループが経営してるでしょ」
「世界的な企業グループのね」
「あのお家天理教でしょ」
宗教の話もした。
「それで所属教会八条町にあるでしょ」
「学校とグループの本拠地があるね」
「あそこの八条分教会っていう教会の所属だけれど」
「それが関係あるの」
「今お話してる人八条分教会が所属している奥華大教会って教会の信者さんだったの」
「そうだったの」
「そこのある教会の信者さんで」
そういった者でというのだ。
「あまりにも酷い行いでね」
「有名だったの」
「働かないで奥さんが何しても感謝しないで」
「今お話してるみたいな人だったの」
「それで奥さんに偉そうなことばかり言って」
「何も出来なくて」
「それでいい加減三行半突き付けられてね」
即ち離婚され出て行かれてというのだ。
「人生やり直す為に修養科っていう天理教の言うなら修行させてもらう場所に入ったけれど」
「全然更正しなかったの」
「するどころかね」
母は顔を顰めさせて言った。
「普通ここで多少でもましになるわね」
「修行させてもらったらね」
「三ヶ月させてもらうけれど」
「それだけしたら色々変わらない?」
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