第三十三話 夏が近付いてその一
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第三十三話 夏が近付いて
留奈は自分の家の中で母親にアルバイトのことを話した、彼女の母はもう娘が何処で働くかを知っていた。
「夏休みだけだけれどね」
「頑張ってきなさいよ」
これが母の返事だった。
「汗水流して働いてね」
「お金儲けしていいのね」
「働いてお金を儲けるのはいいことよ」
母の言葉は強かった。
「だからね」
「働いていいのね」
「むしろ何処が悪いかね」
このことがというのだ。
「聞きたい位よ、夏部活に宿題に」
「それにアルバイトに」
「思いきり急がしてよ」
それでというのだ。
「充実してるでしょ」
「そうよね」
「夏休みゲームばかりもね」
「そうした人もいるわよね」
「悪くないと思うけれど」
それでもという口調での言葉だった。
「やっぱりね」
「色々やる方がいいわよね」
「お外でね」
「だからなのね」
「働いてきなさい、社会勉強にもなるから」
アルバイトはというのだ。
「悪いことはないわ、あと稼いだお金はね」
「お家に入れるの?」
「そんなことしなくていいわよ」
娘に笑って答えた。
「あんたが全部持ちなさい」
「いいの?」
「だってまだ学生さんよ」
だからだというのだ。
「その間は親が養うものだから」
「全部持っていいの」
「そうよ、それで好きに使いなさい」
「使ってもいいのね」
「お金の使い方覚えるのも勉強よ」
こちらもというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「お金は全額ね」
「私が持って」
「それで使いなさい、ただわかってると思うけれど無駄遣いにはね」
「注意よね」
「そちらにはね」
こう言うのだった。
「くれぐれもよ」
「注意して」
「使うのよ」
「そうすることね」
「自分で稼いだお金だからね」
そうであるからだというのだ。
「尚更よ」
「考えて使うことね」
「そうしなさいね」
「そうするわね」
留奈もそれはと母に応えた。
「お金って大事だしね」
「お金がないことは命がないのと同じと言う位よ」
「大事なものね」
「まあこれは極論だけれど」
金がないことは命がないことと同じという考えはというのだ、母も流石にそれは極端だと前置きした。
「けれどね」
「それでもなのね」
「大事なものなのは確かでしょ」
「そうよね」
「そしてお金がない社会がいいと言っても」
母は娘にこうした考えについても述べた。
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