暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第123話:夏の日差しの下で
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「はっはっはっ、知識あるだけで完璧に出来れば苦労はしないよなぁ」
「実感の籠ったセリフだねぇ。経験則か?」
「痛い目を何度も見たよ」
颯人も昔は父・輝彦に手品を実践してもらい、何をどうすればこうなると言うのを理解しているにも拘らず失敗したことが何度もあった。やり方自体は分かっている筈なのに、いざ自分で実行に移そうとすると上手くいかない。そのもどかしさを颯人は嫌と言う程理解していた。
だからこそ、今エルフナインが感じている気持ち悪さが理解できた。
「実際やってみると全然違うんですね」
「背伸びをして誰かの真似をしなくても大丈夫」
「?」
「下からこう、こんな感じに!」
お手本を見せるように、マリアが下からボールを打ち上げた。このやり方なら難しいテクニックは必要無いし、小さな力でも十分相手側のコートにサーブする事が可能だった。
それを諭すように教えられ、エルフナインは己の不甲斐無さに目尻に涙を浮かべた。
「はぅ〜〜!? ずびばぜん!?」
「弱く打っても大丈夫。大事なのは、自分らしく打つ事だから」
「はい! 頑張ります!!」
マリアからの激励に、エルフナインも笑顔を取り戻す。それを見てマリアも、慈愛に満ちた優しい笑みを浮かべて応えた。
その後は、選手を代え様々な組み合わせでビーチバレーを楽しんだ。存分に体を動かし、思いっきり腹を空かせた頃、タイミングを見計らったかのようにガルドが声を掛けた。
「よし、出来たぞ!」
その声に真っ先に反応したのは響であった。途中から漂ってきていた食欲を誘う匂いに、居てもたってもいられなかった響はガルドからの声が聞こえた瞬間未来の手を引いてそちらへと向かった。
「待ってましたぁぁぁぁ!」
「わっ! ちょ、響!」
爆走と言う言葉がぴったりな位の速度で響が向かうと、それを予想していたのかガルドは苦笑しながら紙皿にたっぷりと焼いた肉と野菜を盛って渡した。
「そう焦らなくても、たっぷり作ったし材料もまだある。ほら、熱いから気を付けろ」
「ありがとうございます! いっただっきま〜す!!」
紙皿と共に箸を受け取った響は早速肉を掴んで齧り付く。すると次の瞬間、感激に目を潤ませた。
「〜〜〜〜ッ!! すっごく美味しいよ! 未来も早く食べなって!」
「もう、そんな大袈裟な……あむ、ッ!! ホントだ、美味しい!!」
響だけならいざ知らず、未来までもが美味しさに目を輝かせた。それを見て黙っていられないのが切歌と調だった。
「ガルドさん!」
「私達にも!」
「あぁ、ほら」
響ほどではないが、2人にも肉と野菜をたっぷり持って箸と共に手渡した。切歌は受け取った瞬間主に肉にがっつき、調は大人しく、だが味にはしっ
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