残骸と悪夢
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舞い上がった怪物は、地上近くに高度を落とし、可奈美たちがいる地上近くを滑空。
その突風は木組みの街のガラスを粉砕し、可奈美をはじめ人々の体を吹き飛ばしていく。
「うわわっ!」
体が飛ばされながらも、ラビットハウス二階の窓の縁を掴まえる。
可奈美はそのままラビットハウスの中に転がり込み(そこはハルトの部屋だった)、大急ぎで自室の御刀、千鳥と、目覚めの鈴祓いを掴み取る。
可奈美はそのまま、自室の窓から外へ飛び出す。
ジャンプと同時に、鈴祓いを鳴らした。
「あれって……まさか、ムーンキャンサー!?」
アルバイトを終え、アカネの手助けに戻ろうとしていた友奈。
一瞬上空のその美しさに見惚れたが、その危険性は誰よりも知っている。
同時に、以前ムーンキャンサーと戦った際、関わった者たちの顔が友奈の脳裏を過ぎった。
真司は、アカネは。
行方不明のアンチは。
あらゆる嫌な想像が友奈の脳内を駆け巡る。
だが、それを振り切るように首を左右に振った。
右耳、嗅覚。次はどこか。
そんな細事を気にすることなく、友奈は駆け出す。
「コウスケさん……? 奴を止めろって……あれのことッ!?」
チノと別れた響は、体に走った命令に従って急ぐ。
コウスケが令呪を通じての命令は、どこにいるのかも分からない怪物へ、響の足を運んでいく。
そして、いた。
上空を泳ぐ怪物、ムーンキャンサー。そのの巨体が滑空するたびに、建物が壊されていく。
コウスケの令呪が響に与えたのは、完全なるリミッターの解除。
宝具___サーヴァントの切り札でさえも、使うことが許されていた。
響は首から下げられていたペンダントを掴む。
そして。
「祭祀礼装・禊!」
「満開!」
『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl』
三つの光が、夜空のムーンキャンサーへと迫っていった。
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