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夢幻水滸伝
第二百五十二話 広州沖の海戦その六

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「それではすぐに」
「頼むで」
「今すぐに行ってきます」
 白澤は艦橋を出て戦場に入った、そうして術と力を使ってだった。
 敵の攻撃を妨げ防いだ、それで郭達の攻撃を弱めてだった。
 施は集中攻撃を続けた、それでだった。
 郭達の艦隊は徐々に減っていった、郭は駆逐艦がほぼ戦闘不能になり巡洋艦にまで攻撃が及んだのを見て言った。
「もうな」
「これはですね」
「そや、かなりまずいことになってる」
「敗北ですか」
「それが明らかになってきたわ」
 こう美蓮に話した。
「残念やがな」
「ではどうされますか」
「これ以上の戦闘は意味がない」
「損害を増やすだけですね」
「そやからな」
「ここはですね」
「退くで」
 このことを告げた。
「今すぐにな」
「そうしますか」
「回復不可能な状況に陥る前にな」
「ほなですね」
「沈んだ艦の乗員を回収してや」
 そうしてというのだ。
「退くで」
「そうしますか」
「術も使って迅速にな」
「ほなそうして」
「撤退や、そうこうしてるうちに巡洋艦もやられていってる」
 見れば一隻また一隻と戦闘不能に陥っている、施の采配能力もあり彼等の艦隊の砲撃は恐ろしく正確でかつ攻撃間隔も短くそうなっているのだ。
「戦艦だけになる前にや」
「今のうちにですね」
「退散や、施の方が一枚も二枚も上手か」
 郭は苦い顔でこうも言った。
「ほんまにな」
「戦のことやとですか」
「いきなり広州攻めに来たことといいな」
「施さんの方がですか」
「上か、これは勝てんな」 
 郭は苦い顔のままこの言葉も出した。
「残念やが」
「それは」
「今実感した、考えるか」
 郭は撤退と将兵の回収を命じてからも考えた、そのうえで。広州の軍港まで戻ったがその間も艦隊は多くの損害を受けた。
 そして彼等が見えなくなるとだった。
 施はすぐにだ、全軍に命じた。
「漂流してるモンがおるかどうかな」
「捜索ですね」
「そや、術も使ってな」
 紅美に述べた。
「そうしてな」
「回収しますね」
「戦死者もな、漂ってる魂からや」
「復活させて」
「助けるで」
「敵であってもですね」
「昨日の敵は今日の友、後で自分等の兵になってくれるんや」
 そうであるからだというのだ。
「助けるで、もっともそうでなくてもな」
「助けますか」
「戦が終わったらええ」
 それでというのだ。
「命は助けることや」
「そういうことですか」
「ほな助けるで」
 施は笑顔で言った。
「今から」
「わかりました」
「それから広州に向かうで」
 こう言ってだった。
 施は遭難者の捜索と回収を命じてだった。
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