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夢幻水滸伝
第二百五十二話 広州沖の海戦その五

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「こっちは数が少ない、しかもな」
「こちらの攻撃はですね」
「施達が術で艦隊全体の防御力を上げてるさかいな」
「それもかなりですね」
「命中率を下げられていて」
 そしてというのだ。
「命中しても威力がや」
「期待出来へん状況ですね」
「あっちの星のモンは四人でや」
「施さんもおられますね」
「やっぱり神星のモンの術は強い」
 こう言うのだった。
「桁違いにな」
「そやからですね」
「術をそちらに集中されるとな」
 防御系のそれにというのだ。
「尋常やないわ」
「こちらの攻撃は通じんですね」
「こちらも艦隊に防御系の術を使ってるが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「敵の全艦艇で一隻を狙われるとな」
「やっぱりあきませんね」
「戦闘不能に追いやられるわ」
「一隻一隻確実に」
「それがわかってるのがあいつや」 
 施がいる敵の旗艦を忌々し気に見て話した。
「こと戦では一歩も二歩も上や」
「施さんの方がですね」
「そや、その施とどうして戦うか」
「それがですね」
「難しいわ、駆逐艦は徐々に減っていってな」 
 もう三隻戦闘不能に陥っている、乗員達は次々に避難していっている。幸い戦死者は少ないが艦艇は減っていっていた。
「次はや」
「巡洋艦ですね」
「そうなるやろうな、どうしたもんか」
「このままでは負けますね」
「徐々にでもな」
「そうですね」
「こっちも集中攻撃を仕掛けるか」 
 郭は敵艦隊を見て言った。
「そうするか」
「そうしてですね」
「そや、そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「一隻一隻をな」
「沈めていきますね」
「そうするで、敵がそうしてくるならな」
「こちらもですね」
「確かに敵の防御力は高い」
 術によって上げられていてだ。
「それは事実や、しかしな」
「それでもですね」
「集中攻撃を浴びせていくとな」
「その分効果がありますね」
「そやからな」
「ここはですね」
「まずは駆逐艦からや」
 敵艦隊のこの艦からだというのだ。
「沈めてくで」
「わかりました」
 美蓮も頷いてだった。
 郭達の艦隊はこれまでは数隻単位を攻撃対象にしていたがそれを一隻ずつに変えていった。だがそれを見てだった。
 施は白澤に対してこう言った。
「頼めるか」
「敵の集中攻撃に対してですね」
「自分の力と術で防いでもらいたい」
「わかりました」
 白澤は主に忠実な声で応えた。
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