第二百五十二話 広州沖の海戦その一
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第二百五十二話 広州沖の海戦
施達の動きの報を聞いてだった、まずは美蓮が顔を顰めさせた。
「艦隊がこちらに向かって」
「はい、そして敵の上陸すると思われる船団はです」
報をする吸血鬼の若い男の士官が答えた。
「広州に向かっています」
「私達を艦隊で倒し」
「同時に広州攻略にかかるか」
話を聞いていた郭が述べた、二人は今旗艦の艦橋にいてそこで報を聞いているのだ。
「そのつもりか」
「やはりそうですね、どうしますか」
美蓮は郭に真剣な顔で問うた。
「これから」
「広州にこれまで以上に守りを固める様に伝えるんや」
施はまずはこう告げた。
「そして僕達はここでや」
「敵艦隊を迎え撃ちますか」
「そうするで」
「広州の救援には向かいませんか」
「星のモンはあっちに一人も言ってへんな」
郭はこのことを確認した。
「広州の方には」
「はい、そこまでの強い気はなかったとのことです」
美蓮に報をした吸血鬼の士官は郭にも答えた。
「あちらには」
「星のモンの気は強いからな」
「気を調べるとわかりますね」
「まるで火山の噴火みたいに出てるからな」
その為にというのだ。
「見ればすぐにわかる」
「ですがそうした気は敵艦隊にのみありました」
「四つやな」
「はい」
士官はその数も答えた。
「確認されました」
「気を隠すのは案外難しい」
郭は腕を組んで述べた。
「それもあまりにも大きいとな」
「尚更ですね」
「そやから星のモンの気はわかる」
それこそすぐにというのだ。
「普段何もしてへんと余計にな」
「隠していないので」
「わかりやすい、それで四つやな」
「そうです」
「あっちの星のモンは五人」
郭は確かな声で述べた。
「そのうち蒲は留守を守って上海におる」
「そこで政を行っておられますね」
「そや、それで残る四人でこっちに来てるが」
「施さんと白さん、王君と紅美ちゃんですね」
「そや、そういえば自分紅美ちゃんと仲ええな」
「よく一緒にお話して遊んでます」
美蓮は笑顔で答えた。
「ええ後輩ですよ」
「そやな」
「それであの娘もおって」
「四人や、そして気の数はな」
「四つですね」
「そや、四つやとな」
それならというのだ。
「全員がや」
「こっちに来てますね」
「船団の方にはおらん」
郭は強い声で述べた。
「そやからな」
「それで、ですね」
「広州の方は守りを固めたら何とかなる」
「星の人がおられんのなら」
「大軍で攻められてもな」
「広州の守りも固いですし」
「そやからな」
それでというのだ。
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