第五百六話 男湯の方その十九
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「これからはじまる最後の戦いでもね」
「そうなのですか」
「俺達だけじゃどうしようもなかったし」
これまでの戦いもとだ、葛葉はヴィルヘルムに答えた。
「当然これからもだよ」
「だからですか」
「うん、これからの戦いもね」
最後の戦いもというのだ。
「宜しく頼むよ」
「全員で、ですな」
「戦っていこうね」
「それでは」
「これまで色々あったけれどな」
鬼瓦は神妙な顔で話した。
「最後の最後までこの面子で笑っていられる様にしねえとな」
「その通りだな」
郷田は鬼瓦のその言葉に強い声で頷いた。
「だからこそ訓練をしてきたしな」
「そして戦ってきたからな」
「最後の最後までな」
「笑っていられる様にしないと駄目だろ」
「全くだ」
鬼瓦の言う通りだというのだ。
「そのことはな」
「それじゃあな」
「今は休息を摂っているが」
「最後までな」
「戦っていくぞ」
「ああ、この面子でな」
「長い戦いも遂に終わる」
雷真が言ってきた。
「そして終わるならな」
「笑顔で終わらせるべきだ」
エドワードが応えた。
「勝ってな」
「そうするべきだ」
「全くだな」
「その最後の戦いの前の休息だが」
一条も言ってきた。
「まだ続く」
「お風呂の後は食事だね」
エドワード=ランバートが言ってきた。
「そうだね」
「そうだ、和歌山の幸をだ」
「楽しむんだね」
「風呂の後はな」
まさにというのだ。
「それだ」
「やっぱりそうだね」
「そしてだ」
一条はさらに言った。
「酒もだ」
「あるね」
「そちらも楽しもう」
「それではね」
「海の幸にだ」
一条はさらに言った。
「山の幸もある」
「和歌山だからですね」
迅も言って来た。
「海の幸にですね」
「山の幸もある」
「その両方が」
「前は海でだ」
そしてというのだ。
「後ろは山だ」
「だからですね」
「それでだ」
それ故にというのだ。
「両方の幸があるからな」
「両方を楽しんで」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「酒もだ」
「そうですね、ではお風呂の後は」
「馳走に酒を楽しもう」
「それでは」
迅も他の面々も頷いた、そうしてだった。
戦士達は酒の後で宴会の場に出てそのうえで和歌山の幸と酒を楽しむのだった、決戦の前の憩いの時はまだ続くのだった。
第五百六話 完
2022・2・1
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