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戦禍の中の愛情
第二章

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「三匹共雌だけれど」
「ニャア」
「ニャ〜〜〜」
「ナァ〜〜〜」
「ウニャ〜〜〜」 
「この娘達とお母さんをね」
「守っていたんですか」
「三匹でね」
 猫達を笑顔で見ながら話した。
「そうしていたのよ」
「まだ子犬なのにですね」
「そうよ、お母さん猫とね」
「子猫達を守っていましたか」
「いいお話でしょ、だからね」 
 にこりとしてだ、七匹全てを見てこう言った。
「この子達は必ずね」
「幸せになってもらいますね」
「そうなる様にしましょう」
 笑顔での言葉だった、ルーツィシンはインターネットでもこの話を伝えて多くの人に知ってもらった。
 その話をだった、今カテリーナ=トゥドヴァは自宅のあるキーフ近郊オストミルに戻る途中で自分のスマートフォンで観ていた、黒い短い髪の毛に黒い目に白い肌の三十代のはっきりした顔立ちの女性だ。
 今彼女は夫のオレクサンドルと五歳それに三歳の娘達と共に帰っていたが。
 大柄で金髪に黒い目で四角い顔の夫に言った。
「お家に戻れるなんて」
「嘘みたいだな」
 夫もこう言った。
「キーフまで攻撃を受けてな」
「大変な状況だったから」
「それがな」
 夫はさらに言った。
「戻れるなんてな」
「嘘みたいね、けれどね」
「それでもだな」
「ベリイは」
 妻は愛犬のことを話した。
「どうかしら」
「いてくれたらいいな」
「そうしていてくれたら」
 心から望んでいる言葉だった。
「どれだけ嬉しいか」
「そうだな、置いていったがな」
 夫も沈痛な顔で述べた。
「仕方なく」
「着のみ着のままで逃げたから」
「仕方ない、けれどな」
「あなたも思うわよね」
「思わない筈があるか、避難した時からな」
 幸い一家で友人の家に入れてもらった、そこで今まで暮らさせてもらっていたのだ。
「ずっとな」
「思ってきたわね」
「ああ」
 実際にというのだ。
「本当にな」
「お家もどうなったか」
「家は残っているらしい」
 それはというのだ。
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