第一章
[2]次話
強い鷲も
その話を聞いてだった、アメリカ陸軍の兵士リチャード=トンプソン上等兵大柄なアフリカ系の彼は話をした同僚のトーマス=ドットソン上等兵金髪碧眼の彼より幾分背の低い彼に言った。
「鷲がか?」
「それもハクトウワシがな」
ドットソンはトンプソンに共にアラスカ州ウィローの雪原を進みつつ話した、二人共完璧な傍観装備である。
「雪に埋もれて動けなくなってるそうだ」
「市民から通報があったんだな」
「地元のレスキューは今動けなくてな」
「あっちはあっちでか」
「それで俺達にだよ」
彼は話した。
「話が来たんだ」
「軍隊の方にか」
「それで今現場に向かってるが」
「鷲が雪に埋もれるなんてな」
「あまりないよな」
ドットソンもこう言った。
「やっぱり」
「初耳だよ、鳥がそうなるなんてな」
「そうだよな、けれどアメリカの国鳥だからな」
ハクトウワシはというのだ。
「天然記念物で数も少ない」
「保護しないといけない生きものだな」
「そうだからな」
それ故にというのだ。
「今からだよ」
「保護しに行くな」
「ああ、そういうことだ」
「それじゃあ行くか」
これが任務だ、トンプソンも納得した。そうしてだった。
現場に行くと確かに一羽のハクトウワシが雪に埋もれていた、弱っているのは誰が見ても明らかだった。
「クワ・・・・・・」
「じゃあ雪どけてな」
「ケースに入れて基地に戻って」
「そこで手当てしてもらうか」
「獣医さんにも診てもらってな」
トンプソンとドットソンはこう話してだった。
二人で鷲の周りの雪をどけてだった。
鷲を抱えてケースに入れて車に乗せて基地に戻った、雪原でも進める特別仕様の軍用車に二人はこの時心から感謝した。
そして獣医に診てもらうとだった。
「雄で弱っていて虱が多いですが」
「そうですか」
「大変なんですね」
「ですが命に別状はありません」
獣医は自分の最初の言葉に顔を曇らせた二人に笑顔で話した。
「ですからご安心を」
「そうですか」
「では後はですね」
「休ませて栄養を摂ってもらえば」
それでというのだ。
「無事に回復します」
「それは何よりです」
「よかったです」
二人も笑顔になった、そして鷲を手当てしてだった。
野生に戻れる様にした、この話はアメリカ軍から世間に伝わった。
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