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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第73話 異変を終えて
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「本当か!まだまだたくさんあるから存分に食べてくれ!」
「うん!」


 お腹が空いていたと言う事もあったがあっという間に一つ食べてしまった。お茶を飲んですぐにもうひとつのおにぎりに手を出した。


「ふふっ、慌てすぎだよ。ほら、おかずや汁物もあるよ」


 俺はフィーがくれた卵焼きを食べる……うん、コレも美味しい!フワフワの卵の触感が口いっぱいにひろがったよ!しかも俺が好きな甘い味付けだ!


 そしてそこに豚汁を飲むと……ぷはぁ〜、たまらないね!


 甘い卵焼きの後に豚と野菜の風味がいっぱい詰まった豚汁で流す。そしてまたしょっぱいおにぎりを食べて……無限に食べれてしまうよ!


 あれだけあったおにぎりの山をあっという間に平らげてしまった。いやぁ、満足だよ〜。


「ご馳走様でした!凄く美味しかったよ!」
「そうか、喜んでくれて良かったよ。だが私は簡単な物しか作れなかったからな、フィーは凄いよ」
「ラウラは最近料理を始めたんでしょ?ならそんなものだよ。それに料理に大事なのは愛情を込めることだからね、ラウラの気持ちはいっぱい伝わったと思うよ。そうだよね、リィン?」
「ああ、凄く美味しかったよ!また作ってほしいな」
「ふふっ、ならまた作るよ」


 美味しい夜食に満足した俺はその後フィーとラウラと一緒にお喋りをすることにした。今寝たら胃に悪いからね。


「なるほど、そんな事があったのか」
「ん、あの時は油断した。怒りで前が見えなくなるなんて猟兵失格……」
「……そうだな。フィーの判断ミスでクローゼさんが危険にされされたのは事実だからな」


 俺はフィーから話を聞いて彼女がらしくない行動をしたと知った。


 結社の一員である怪盗B……いやブルブランという男は恐ろしいことに俺がエレナを失うきっかけになったあの事件が起きた現場にいたらしく、その時から俺の動向をストーカーしていたようだ。


 そいつが楽しげに俺の過去を話すから頭に血が上ってしまったらしい。正直俺もムカッと来たがフィーが代わりに怒ってくれたためすぐに怒りは引っ込んだ。


 ただ俺は慰めたりせずに厳しい言葉をかけた。


 俺のために怒ってくれたことは嬉しいが彼女も猟兵だ。怒りで視野が狭くなり安直な行動をとれば自分だけでなく仲間まで危機にさらしてしまう。


 このことを団長や西風の皆から耳にタコが出来るほど言われてきた俺は、同じように言われてきたフィーにキツめの言葉をかける。


 それを望んでいるのはフィーだしラウラも理解してるから何も言わなかった。


「今回はラウラとオリビエさんに感謝して反省しろ、そしてもう二度と同じことはするな。いいな?」
「……うん、了解」

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