第73話 異変を終えて
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ってるって訳ですか?」
「多分な。もしかしたら結社って奴らの仕業かもしれへんな」
「結社……」
今回の事件に第三者の可能性が浮かび上がり、俺達は結社の存在が頭をよぎった。
『だが俺が悪霊化する前にも意識があったが誰かが入ってきた覚えはねえぞ』
「じゃあやっぱり別の原因があるって事?」
「もしくはキャプテン・リードですら気が付けないほどの隠密能力を持った人間か……まあここでそんなことを考えても仕方ないですね」
キャプテン・リードはここに誰かが来た覚えは無いと話した。それを聞いた姉弟子は別に原因があるのかと言うが俺は首を横に振るう。
結社って奴らがどんな力を持っているのか分からないからだ。もしかしたらとんでもない技術を持ってるのかもしれないし、隠密に長けたプロがいるのかもしれない。
それこそ幽霊ですら気が付けないほどの凄腕のプロが……
「とにかくコイツは危険なシロモンや。適切な処置をするから待っててくれや」
「了解です」
古代遺物の事は専門外だからケビンさんに任せよう。それから暫くして古代遺物を回収したケビンさんがこちらに来た。
「回収完了や。これでもう危険はないはずやで」
『ありがとうよ、これで子分達の魂も天に召されたはずだ。俺も漸くあいつらの元に逝ける』
「良かったですね」
『ああ、この世界の謎を解くのはテメーに任せることにしたぜ』
「えっ、俺ですか?」
『ああ、俺をぶっ倒した男だからな。だからテメーに託した』
「勝手に託されても困るんですけど……」
なんだか幽霊に気に入られてしまったみたいだ。
『じゃあ帰るとするか。また潮の流れを教えてやるから付いてきな』
俺達はキャプテン・リードの案内で洞窟の外に出ることが出来た。
『さて……これで本当にお別れだな。もうこの世に未練はない、俺の遺志を継いでくれる人間が現れたんだからな』
「いや、勝手に意思を継いだみたいに言われても……」
『俺には分かるさ、テメーもロマンが分かる男だろう?それにテメーは厄介ごとに巻き込まれやすい体質と見た。そういう奴は望まなくても真実に向かっちまうもんだ』
「そういうものですかね?まあ俺自身の問題が解決したら考えておきますよ」
俺は苦笑いしながらそう答えた。
『それじゃあな、短い時間だったけど楽しかったぜ。テメーらの事は忘れねぇ、もし煉獄に堕ちたら土産話を聞かせてくれや』
「了解です」
キャプテン・リードはそう言うと空に消えていった。一瞬だけ彼の人間だった姿が目に映ったような気がした、彼はこれで成仏出来たんだろうか?
「きっと大丈夫やろ、夢を引き継いでくれる人間が現れたんやからな」
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