第73話 異変を終えて
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達が部下を倒すのを見ていたキャプテン・リードの心情は難しい物だと思う。
俺達はせめて冥福を祈るように手を合わせた。丁度神父さんもいるからな。
『……ありがとうよ。お宝はこっちだ』
キャプテン・リードは俺達に頭を下げるとアジトの奥に案内してくれた。そこには金銀財宝が山のように積まれていた。
「すっごーい!お宝の山だー!」
『こいつは生前俺達が冒険して集めた宝の山だ。言っとくが持ち逃げしようとは思うなよ?この宝の山には凄まじい怨念が込められている。迂闊に持ち出したら呪われるぞ』
「確かに悍ましいほどの怨念を感じるわ、勿体ないけど持ち出すのは危険やで。間違いなく不幸になるわ」
姉弟子は目を輝かせて宝の山を見ていた。だがキャプテン・リードはこの宝は呪われているから持ち出すなと言い、ケビンさんも嫌な物を見る目で宝の山を見ていた。
「それで古代遺物はどこですか?」
『そこの赤い宝石だ。ソイツだけ普通の宝石とは違うような気がしてな』
キャプテン・リードは側にあった赤い宝石を指差した。確かになんか禍々しい見た目をしているな、まるで人の心臓みたいだ。
「ケビンさん、それは古代遺物ですか?」
「……せやな、これは『欲望の星』や。人の願いを叶える奇跡の石って言われとるけど実際は周囲の人間の運を吸い取ってしまうだけの厄介なシロモンや。しかも叶える願いも良い結果やなく滅茶苦茶捻くれて叶えるしな」
「例えばどんなふうに?」
「そうやなぁ、例えるとお金持ちになりたいって願ったら家族や友人、大切な物すべて失ってお金だけが残るって感じやな」
「それは嫌ですね……」
俺はケビンさんに古代遺物なのかと聞くと、彼は頷いた。
彼曰くこの『欲望の星』は人の願いをかなえる代わりに他の人間を不幸にするし願った人間も結果的に不幸になってしまうらしい。
『願いか。その石に願った訳じゃねえが俺はずっと仲間達と航海を続けられると良いとは思ってたな』
「なら欲望の石がその願いを叶えて死後も霊となって海を彷徨うハメになったんやろうな。でもこの石事態に特異点を生み出す力は無いはずや。そもそも石が願いを叶えたのはあの灯台にいた爺さんの話やと最近になるはずやし願いは直接石に伝えんと効果は無いはずなんやけど……」
『言っとくが俺は思ってただけでそんな石に願いを言ってねえからな』
ケビンさんはそう言ってキャプテン・リードの方を見るが彼は頭を横に振って否定する。
「なら誰かが勝手にキャプテン・リードの願いを叶えさせたんか?この石は持ち主だけの願いを叶える訳やない、他人の願いも叶えることが出来る。結果的に不幸になるのは変わりないんやけどな」
「となると……第三者の手が入
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