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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第73話 異変を終えて
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はそれしかない。それがこの世界の常識だ』
「言われてみるとまあ確かにそうですね。でもそれの何が変なんですか?」
『俺は納得できねぇんだよ。海ってもっと広くて自由なモンだろう?それなのにゼムリア大陸しか大陸が無いなんて思えなかったんだ。だから俺は海を旅した、その先に何があるのかを確かめる為にな』
「海の先……」


 キャプテン・リードの話を聞いて俺は言われてみるとゼムリア大陸以外に大陸が無い事を意識した。まあそれが常識なんだけどロマンの溢れる話でワクワクするな。


「……まあそんな話はもうええやろう。アンタが俺達の前に姿を見せた理由を話せや」
『ああ、そうだったな』


 ケビンさんはキャプテン・リードがなぜ俺達の前に現れたか理由を話すよう急かした。


『俺が成仏せずにテメーらの前に姿を見せたのは単純に礼が言いたかったのと、古代遺物を渡そうと思ったからな』
「古代遺物だって!?」
『ああ、俺がかつて見つけたお宝の中によく分からねえモンがあってな。ソイツが今も俺のアジトの中にあるはずだ。もしそれが古代遺物なら持って行ってくれて鎌わねぇ、どうせ俺にはもう無縁の物だからな』


 キャプテン・リードはそう言うと何処かに向かって移動を始めた。


『ついてきな、俺の船『エレフセリア号』があるアジトに案内してやるよ』
「あの幽霊船の事?」
『そうだ、もっともお前らが見たエレフセリア号は俺が生み出した幻だったんだけどな。本体はこっちにある』


 俺達が見た幽霊船はキャプテン・リードが生み出した幻だったのか。俺達は古代遺物の可能性があるそのお宝を放っておくわけにはいかないとして彼についていく事にした。


 ルーアン地方でも潮の流れが速いと言われている辺りに来ると洞窟のような場所があった。けっこう強い魔獣も多いし好き好んで近寄る人間はいないとジャンさんが言っていたな。


『ここは潮の流れが速くてな、流れを知っていないとまともに進むことは出来ねえ。俺についてこい』


 キャプテン・リードの後を突いていくとスムーズに前に進むことが出来た。そして洞窟の中を魔獣を倒しながら導力ボートに乗って進んでいく。


『ほら、着いたぜ』
「あれが……」


 洞窟の奥には広い空間があり沢山の死体とボロボロになった船がたたずんでいた。


「この死体は……」
『俺の子分達の骨だ。コイツらも俺と同じ熱病にかかっちまってな、最後はこのアジトで最期を迎えたんだ。テメーらが特異点で戦っていたのも俺の部下達だ』
「そうだったんですか……」


 どうやらこの白骨死体はキャプテン・リードの部下だったみたいだな。きっと苦しんで死んでいったのだろう。


 それなのに幻とはいえ特異点で俺
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