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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第73話 異変を終えて
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ドは略奪などしたことが無いと話す。俺はじゃあどうしてキャプテン・リードは極悪人みたいな話が残ってるんだと疑問に思うが、本人曰く話が盛られていったんじゃないかと言うとケビンさんは納得した。


「じゃあ貴方は良い人なの?」
『良い人って自負するわけじゃねえが……まあカタギには迷惑をかけないようにはしてきたつもりだ』


 姉弟子はキャプテン・リードに良い人なのかと聞くと彼は困った様子でそう呟いた。姉弟子って天然だな……


「まあアンタが極悪人じゃないっていうのは分かったわ。でも何で俺らの前に姿を見せたんや?もうアンタを縛るモンは無いんやし成仏したらええやろ」
「どういう事ですか?」
「幽霊っていうのはな、はぐれた魂の事や。人は死後空の女神エイドスの元に行き新たな命として輪廻転生するか煉獄に堕ちて苦しみを味わう、といった二つの道に行くんやけど、稀にそのどちらにも行けない魂が出るんや。それが幽霊やと七曜教会では教えられとる」
「へぇ、そうなんだ!」
「んでそういった幽霊が強い未練や恨みを持っとると悪霊になってしまうんや。まあそういった奴は大抵場所や物に縛られるから自由に動き回ったりできへんのやけどな」


 ケビンさんが俺と姉弟子に幽霊の事を教えてくれる。姉弟子は楽しそうにそれを聞いている。エステルだったら怖がりそうだな。


『そのおっさんの言う通り俺は病気で亡くなったためこの世に未練があった。だから成仏できずにいたんだが、ある日訳も分からない内にあんな姿になってしまい海をさまよう事になったんだ。もしあの状態が続いていたらそれこそテメーらが言っていた虐殺や強奪をしてしまうくらいには狂ってしまっていたんだ。テメーらのお蔭でそこまで堕ちてしまう事は避けれた、本当にありがとうよ』
「誰がおっさんや……まだ若者やぞ、俺」
「あはは、気にしなくていいよ。お化けにお礼を言われるなんて何だか変な気分だね」
「そうですね」


 ケビンさんの説明が終わると、キャプテン・リードはあの状態になった理由が分からないと話す。最悪あのままだったら民間人を襲っていたかもしれないと言い俺達に礼を言ってきた。


 それに対してケビンさんはおっさんと呼ばれたことに怒り姉弟子は礼なんていいと言う、俺も同意した。


「でもどうしてこの世に未練があったの?恋人とかがいたとか?」
『いや違う、俺が未練を残したのはこの世界の謎を解けなかったからだ』
「この世界の謎?」


 姉弟子がどんな未練を残したのか聞くと、キャプテン・リードはこの世界の謎を解けなかったからだと言う。その言葉に俺は首を傾げた。


『この世界はゼムリア大陸以外に大陸は無いだろう?海をどこまで進んでもゼムリア大陸に戻ってきてしまう。小さな島はあれど大陸
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