第73話 異変を終えて
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side:リィン
気が付くと俺達は海の上に放り出されていた。近くに俺達が乗ってきた導力ボートがあったので、それに乗り込んで一息つくことにした。
「まさかいきなり海に放り出されるなんて……今日だけで何回びしょ濡れになった事やら……」
「暫く海とか川とかといった水場は遠慮したいよ〜……」
3回ほどずぶ濡れになった俺と姉弟子は暫く水場には近寄りたくないと思った。
「そういえばケビンさん、幽霊船はどうなったんですか?」
「姿が見えへんな、古代遺物も見当たらへんしあんなことが起きとったんやからあると思ったんやけど……」
幽霊船の姿はなく「さっきまでのは夢だったのか?」と思う程海は静かに波をうっていた。
「うわわ!?」
「また地震か!?」
その時だった、海が激しく揺れてボートが大きく揺れる。大勢を崩しそうになった姉弟子を支えつつ海を見ると、なんと海の底から先程戦ったキャプテン・リードの頭の骸骨が出てきた。
「馬鹿な!?特異点はとっくに無くなったはずや!」
「来ますよ!」
ケビンさんはあり得ないと言うが俺は武器を構えて警戒する。だが頭はいつまでたっても襲ってこなかった。
『ははっ、中々根性の据わったガキだな』
「えっ!?お化けが喋った!?」
なんとキャプテン・リードの頭の骨が会話をしてきた。さっきまで唸り声しか上げなかったのに流暢に会話をしてくるとは思ってもいなかったぞ。
「……あなたはキャプテン・リードなんですか?」
『そうだ、俺はこのゼムリアの海を旅する自由の海賊、キャプテン・リードだ』
どうやら本当にこの骸骨がキャプテン・リードみたいだな。なら猶更油断はできないぞ。
『あん?どうしてテメーらそんなに警戒してるんだ?俺はもうとっくに正気だぞ』
「そんなこと言われても……だって貴方は虐殺や強奪を繰り返した大悪党でしょ?そんな奴を前にして例え幽霊だとしても油断なんてできないよ!」
『はあ?どういうことだ?』
姉弟子は悪党を前に油断なんてできないと言うが当の本人は訳の分からないという反応をする。俺達はキャプテン・リードという人物はルーアンで恐れられているという事を話した。
『そんなことはしてねえよ。そもそも海賊と名乗ってるが俺や船員たちは冒険と宝が好きなロマンを求めて旅をしていたんだ。略奪もしてねえぞ』
「じゃあどうしてそんな話になったんだ?」
『大方時代が進むとともに話が盛られていってそうなったんじゃねえのか?今はあれからもうなん百年もたってるんだろう?』
「まあよくある話やな、神話とか伝説も大抵人の妄想や盛った内容やし」
「そうなんですか……」
キャプテン・リー
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