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犬のレインコート
第二章

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「家族で何度かお話してる様に」
「そうだよな」
「だから雨でもね」
「散歩に出たがるな」
「濡れても平気なのよ」
「ふわりだってな」
「けれどね」
 それでもとだ、ここで母は言った。
「濡れるとね」
「後で拭くの大変だしな」
「どうしても足は濡れるけれど」  
 雨の中散歩をするとだ。
「頭から被せて足の方も覆うけれど」
「足の先とか濡れるよな」
「それでも身体全体濡れるよりはね」
「後で拭くの楽だな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「雨の日はよ」
「ふわりがよくてもな」
「後で拭く方がね」
 即ち他の家族がというのだ。
「大変だからね」
「レインコート着せるんだな」
「そうよ、ふわりはあまり好きじゃないみたいだけれど」
 レインコートを着ることはというのだ。
「それでもよ」
「拭く方は楽だからか」
「お散歩の時はね」
「レインコート着せるか」
「犬は毛が多いから」
「濡れると大変だな」
「そう、それでね」 
 そのうえでというのだ。
「雨の日は」
「絶対にレインコート着せるんだな」
「ふわりもお散歩に行きたいし」
 雨の日もというのだ。
「それだったらよ」
「レインコートは着てもらうか」
「雨の日のお散歩の時はね」
 こう言ってだ。
 息子と共にふわりの散歩を続けた、すると。
 ふわりは楽しそうに散歩をしていた、確かにレインコートはあまり好きそうでなく動きにくそうだったが。
 それでも散歩自体は楽しそうにしていた、母子はそんな彼女を見て自然と笑顔になって散歩を続けた。


犬のレインコート   完


                  2022・8・25
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