第一章
[2]次話
雄と雌の違い
ふわりを見てだ、彼女の家族である国咲家の息子でラーメン屋の店員をしている洋介はは父の文太に言った。
今彼女は家で自分のケージの中で寝ている、その彼女を見て言うのだった。
「なあ、ふわりが雌なのは俺達知ってるけどな」
「それがどうしたんだ?」
「この前散歩してたら雄かって言われたんだよ」
食後の酒白ワインを枝豆と一緒に楽しんでいる父に話した。
「雌なのにな」
「その人わからなかったんだな」
「ああ、そういえばな」
洋介はふわりを見つつ父にさらに話した。
「俺も他の犬の性別はな」
「わからないな」
「犬とか猫って性別わかりにくいよな」
洋介はこうも言った。
「人間以外の生きものはな」
「生きものによってはわかるがな」
「大きさとか色でか?」
「そうだ、孔雀なんか雄の方が奇麗だ」
その羽根がというのだ。
「それでわかるがな」
「雄か雌がかか」
「そうだがな」
「けれど犬は違うよな」
洋介はあらためて言った。
「やっぱり」
「ああ、わかりにくいな」
文太もそれは認めた。ワインはグラスではなくジョッキでビールの様に飲んでいる。それが如何にもガテン系な感じだ。
「実際に」
「そうだよな、やっぱり」
「しかしな」
それでもとだ、ここで父は言った。
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