やっぱり僕は歌が好き 第五楽章「新たなステージへ送り出す者達」
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(グランバニア城下町:中央地区:アマン・デ・リュムール)
アイリーンSIDE
私は人見知りする方では無い……だけども、この状況は何だ?
ピエに巻き込まれ、全く面識の無い人間とカフェで紅茶を飲んでいる。
私の左隣にはピエ……そして正面に3人の宮廷画家が並んで座っている。
思い返そう、何があったのかを!
元々私は無関係だった。
全部ピエの問題だった。
今朝方ピエが学長に呼び出された。
あまり良い事では無いが、何分学長はピエの叔父だから、彼女に問題があって呼び出されたわけでは無い事は分かる。だが内容は最悪だった。
あと8ヶ月ほどで最上級生の4年生が卒業する。(勿論留年する奴も居る)
その創業式をピエが任された。
毎年卒業式は在校生(特に私らの様な3年生)が、音楽学部と美術学部と合同で何かを催して卒業を祝うのだが、その責任をピエに一任された。
学長の言い分では「マリー&ピエッサで最新のポップスミュージックを学んだお前なら、その新たなる音楽で卒業式を盛り上げられるだろう」との事。
簡単に言えば、ポップスで卒業式をやれって事だ。
例年なら、優秀な在校生等が寄って集ってオペラやらミュージカル風の卒業式の余興を行うのだが、今年も同じ様な感じでマリピエの経験を生かさせようという感じだろう。なお、美術学部は絵画なり彫刻を舞台セットとして提供するのが通例だ。
さて……単純な思考ではあるが、マリピエの影響で我が国のみならず近隣諸国にも多大なる影響を受けてるポップスミュージックを、まさに生み出した中心に居る張本人に活躍させるのは至極当然。学長も無駄に年くってないなと思われる。
だが問題なのは丸投げされた張本人。
マリピエの殆ど(というか全部)の楽曲は相方のあの娘が生み出したモノばかり。
ピエも勉強してきてるとは言え、まだまだその境地には遠く及ばず、卒業式を彩る曲を作るなんて夢のまた夢……の更に夢!
寝起きには何だったのか憶えてないレベル。
困った挙げ句に助けを求めたのは私にだ。
いや、私も困るわよ。
私の方が作詞作曲の能力は無いのだからね!
内容が内容なだけに、学校が終わりピエも何時も通りにお城の練習室(音楽室)に私を連れ込んでの相談だ。
急に「一緒にお城へ来て」と言われ、陛下から何か仕事でも言付かってるのかと思って期待したのにコレかよ! ざけんなよ!
取り敢えず私はあの女がハミング(鼻歌)で発表し、それをピエが書き起こしたとされる楽譜を見て、良さげな曲を選ぼうとしたが……「だめ! その曲等は使わないで!」とダメ出し。
「じゃぁアンタ作れんの?」と問いただせば、「
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