やっぱり僕は歌が好き 第五楽章「新たなステージへ送り出す者達」
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む、無理……レクイエムなら得意なんだけども……」と言う始末。
卒業式よ。葬式じゃぁないんだから!
因みにあの女の楽曲を使えないのには理由がある。
ざっと眺めたが卒業式には向かない楽曲しか無い事……それとこちらが本命だが、あの女の曲を使うと、あの女自身がしゃしゃり出てくる可能性が大いにあるということだ。
それは避けたい。
我々の学校の行事なのだ……
部外者を参加させるのは恥さらしだし、あの女では荷が重い。
ピエが言うには、あの女が参加するのならば絶対に「ギャラを出せ」と言うだろうし、基本的に練習とかはしない女だから、いざ本番になればプロの音楽家に今まさになろうとしてる手合いに下手な歌唱力を披露する事になる。
金を払って、部外者に頼って、最低な歌声を聞かされる卒業生には、大いに悔いの残る卒業式になるだろう。
最悪、金を払って部外者に頼むのは良いとしても、本番で披露するのは我々在校生で無ければならない。
そう結論が出たところで、私はピエに提案する。
あの女に卒業式に使えそうな新曲を生み出してもらえる様に、マリピエのスポンサーに直訴してみよう……と。勿論あの女は本番に出しゃばらない様にしてもらう。
そう言ったら「え〜アイツに相談するの〜!?」と、凄っいヤな顔された。
「他に居ないでしょ。私も一緒に行ってあげるけど、口は出さないわよ……喧嘩になると思うから」
そう言ってスポンサー殿が居る執務室へとピエの腕を引っ張り連れて行く。
スポンサー殿が鎮座する執務室へ入り、仕事中の執務机の前に並んで立つと、野郎から先制口撃……
「何だ……今日は何を盗んで連行された?」
ムカつく……
ぶっ殺してやりたい。
この点だけはリュリュ姫と同意見だ……不本意だけど。
私が額に青筋を立てて立ち尽くしてると、ピエが事の経緯を説明する。
そしてあの女を上手く操作して欲しいとも……
だが帰って来た答えは何とも腹立たしい。
「無理だね。あの娘はあの悪名高きリュカ一族の女だぞ。俺の様な凡人に操れるわけないだろ(笑) なにより面倒臭い」
使えねー……こいつ本当に使えねー!
私が何か文句を言おうと口を開けた瞬間……突如手を翳して発声を遮り、部下に向かって、
「おい誰か、今すぐ宮廷画家の三人をここへ連れてこい。宰相命令だと言って、何らかの作業中でも来させろ!」
そう言ってスポンサー殿は視線を下に向け仕事に戻った。
暫く居心地悪く待っていると、3人の若い男女が部屋へと入ってきた。
多分この連中が宮廷画家だろう。
私らは少し端にズレたが、その隣へ並ぶ様に立
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