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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第四十七話 不本意ながらも
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が回ってきたのだ。貴族の艦隊、それも大貴族なら戦死する事もないだろう、という訳だ。ブラウンシュヴァイク公はグリューネワルト伯爵夫人(アンネローゼ様)の弟が派遣されたと知って憤慨したという…。

 「ふん、これで俺達もブラウンシュヴァイク派という訳か。自らの手で立場も決められないとは、何とも惨めな物だな。姉上にも迷惑がかかるな…」
当然ながらラインハルト様は憤慨していたし、私も同意見だった。当然ながら伯を大貴族の俗物としか見ていなかったが、予想に反して彼は我々に対して、いや我々だけでなく周囲に対して誠実な人物だった。
「意外だな。大貴族の中にもああいう人物がいるのか」
「艦隊司令官として前線に出てから変わった、という話ですが…」
「ふん、その内化けの皮が剥がれるさ」
ラインハルト様はそう予想なさったが、伯の誠実さは本物の様だった。
「俺も最初はそう思っていたさ。だが伯爵は前線に出て目が覚めた、と仰っていた。戦闘体験を通じて何かに気づいたのなら、それは本物だろう、と俺も思ってね。それからは俺も誠心誠意、伯に仕えているよ」
とシューマッハ中佐は言っていたが…。



9月20日12:30 ヒルデスハイム、ハノーファー、ギンコヌスシュロス
ラインハルト・フォン・ミューゼル

艦隊司令官 :エーバーハルト・フォン・ヒルデスハイム伯爵中将
参謀長 :レオポルド・シューマッハ中佐
作戦参謀 :ラインハルト・フォン・ミューゼル少佐
同参謀 :ジークフリード・キルヒアイス中尉
分艦隊司令 :オットー・フォン・ノルトハイム少将
      ハインリヒ・フォン・ノルトハイム准将
      ヨッヘン・フォン・ナッサウ准将
      クリスティアン・ゾンターブルグ准将

 ヒルデスハイム伯爵、ヒルデスハイム艦隊か…。
総数一万一千隻、昨年の戦いで受けた損害をを復旧し、更に艦艇数が増加した。
最初は腐ったものだ。何故俺がブラウンシュヴァイク一門の大貴族の輔佐などせねばならんのか、と…。しかし命令となれば不満を示すわけにもいかない。今でも現状に満足している訳では無いが、文句など言おうものなら姉上にどんな迷惑がかかるか分からない。

 お先に失礼します、というキルヒアイスと入れ替わりに伯が姿を現した。
「…フレーゲル男爵は卿の事をよく『金髪の小僧』と呼んでいたな。まあこれは男爵に限った事ではないが…今でも不審かね?私の事が」
「いえ、そのような事は…」
姉上のお付きとして一度だけ参加した皇帝主催の園遊会で見かけた時には、大貴族の見本とばかりの態度だった。そんな奴がどうしてこうも変わったのだろうか?着任して半年経つが、未だに不思議…不審でならない。
「不審だろうな。門閥貴族、大貴族の気まぐれ、い
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