愛の思い出
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
き注目する。
「何でオリビアは僕等に呪いをかけるんだ?関係ねぇーだろ!」
リュカはビアンカが怪我をしそうだったので、結構ご立腹の様子。
「いえいえ…私達に呪いをかけたのではなく、この海域を通る船に対し呪いをかけてるんですよ」
「何で!?」
「愛した男性を、船の事故で喪った悲しみから、船全てを呪っているのでしょう…」
マリーは自分の胸の前で両手を握り締め、切なそうに語り溜息を吐く。
「八つ当たりじゃねぇーか!イタい女だな!」
「お、お父さん………」
ガックリ項垂れるマリー。
やはり敵わない様だ…
「しかしコレじゃ先に進めないぞ!この先に『祠の牢獄』があるというのに…」
「モニカさん!その点は大丈夫です…ですから、もう1度船をオリビアの岬へ進めて下さい!」
マリーは幽霊船で手に入れたペンダント…『愛の思い出』を握り締めながら、モニカ船長に前進を促す。
モニカはマリーの自信に満ちた表情を信じ、再度船をオリビアの岬へと進めた。
船は進み、オリビアの岬を抜ける直前、またも悲しげな歌が聞こえ、海流に乱れが生じる。
船上の誰もが、船の急な後退に身構えるが…
「オリビアさ〜ん!エリックさんからの愛のメッセージを届けに来ました!この『愛の思い出』を受け取って下さい!!」
マリーは『愛の思い出を』天高く掲げ、オリビアに語りかけている!
すると、周囲に響いていた悲しげな歌が止み、マリーの前に男と女の幽霊らしき人物が現れ見つめ合っている。
『ああ、エリック!私の愛しき人…貴方をずっと待ってたわ…』
『オリビア…僕のオリビア!もう君を離さない!』
『エリック!』『オリビア!』
エリックとオリビアは抱き合い、そして消えていった…
我に返ると、辺りは静けさを取り戻しており、船はオリビアの岬を通過していた…
「よ、良かったですね…愛し合う2人が一緒になれて…」
皆が呆然とする中、マリーは何とか先程の事をキレイに纏める。
「勝手だなぁ…散々迷惑かけておいて、詫びの一言もなく消えていったよアイツ等!」
「父さん…幽霊相手に無茶言わないで下さいよ…」
まだ惚けている面々の中で、この親子だけが事態の評価を下していた。
「ま、まぁ…これで先に進めるわけだし…良いじゃないですか!?」
パーティーリーダがその場を纏め、次なるステップへの移行を促した。
そして船は祠の牢獄周辺を航行する。
「それにしても…」
不意にティミーがマリーに向けて疑問を問う。
「何でマリーは、この『オリビアの岬』に呪いが掛かっている事を知ってたんだ?そうじゃなきゃ『愛の思い出』を探しに、ワザワザ幽霊船まで行かなかっただろう!何故だい?」
ティミーとしては至極当然な疑問である。
別に妹の事を勘ぐるつもりは微塵もない。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ