第五百六話 男湯の方その十一
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「そうだな」
「その通りだよ」
火野もアンクに目を向けて答えた。
「俺もそう思うよ」
「そうだな、人間はだ」
「美味いものもわかるな」
「そして楽しめるな」
「そうしたものだよ、それでパンツだってな」
「大事にするな」
「そうだよ、人間っていうのはな」
まさにという口調でだ、火野はアンクに話した。
「難しいものじゃなくてな」
「言葉であれこれ言わずともだな」
「わかりやすいんだよ、人間らしかったらな」
「それで人間だな」
「俺は今も人間でいられてるし博士もな」
かつて戦い倒した彼のことも話した。
「人間だったんだよ」
「そうだな」
アンクも頷いた。
「あいつもあれでだ」
「人間だったね」
「むしろ人間として死ねてだ」
「何処かほっとしていた感じだね」
「自分の望みが適えられず無念そうでな」
それでいてというのだ。
「人間として死ねてな」
「何処かほっとしていたね」
「そうだったな」
「人間として死ねる、か」
オルガは考える顔になって言った。
「そのことは大事だな」
「話を聞くとそうだな」
叡山も人間というものには真剣に述べた。
「金に汚くてもな」
「人間であることだな」
マグナも言った。
「何といっても」
「ああ、俺も伊坂みたいな奴は嫌いだ」
叡山にしてもだった。
「遊びで人を殺すなんてするものか」
「あんたは金だけだな」
「食いもので儲けることはしてもだ」
それでもというのだ。
「命を奪うものか」
「そうだよな」
「そんな趣味はない」
「まあ金の為に人を殺したら外道だな」
「正真正銘のですね」
ジェノスはサイタマの言葉に頷いた、彼は機械の身体であるがそれでも今は普通に風呂に入っている。
「もう腐り果てた」
「そんな奴だな」
「流石にそうなるとね」
アーネストも言った。
「人間ではなくなっているよ」
「金は好きだがな」
叡山は否定しなかった。
「しかしどうして人を殺すんだ」
「むしろ生きていた方がいいよな」
「そうだ」
フリッツにも答えた。
「それで食ってもらうことだ」
「それで儲けられるしな」
「俺としては適ったりだ」
「そうだよね」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「俺は絶対にだ」
「人は殺さないね」
「傷付けることもするか」
絶対にというのだ。
「何があってもな」
「色々あるけれどこの人も人間だからな」
「そうだよね」
ハルはガジェルの言葉に頷いた。
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