第72話 キャプテン・リード
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side:リィン
俺は姉弟子と共に谷底に落ちていく。このままでは死んでしまうぞ、なにか考えないと……!
すると底の方に水が溜まっているのが見えた。これなら……いやこの高さからだと如何に水とはいえ硬い石の床と変わらないだろう。間違いなく体がバラバラになってしまう。
「グォォォォォッ!」
しかも大きな魚のような魔獣が出てきて大口を開けているじゃないか。どのみち絶体絶命に変わりない。
「はっ!」
俺は近くの岩場にワイヤーを伸ばして間一髪魔獣の口にダイブするのを阻止した。だが……
「嘘だろ!?」
結構な衝撃だったからかワイヤーが切れてしまった。俺とフィー二人分の体重なら支えられるくらいの強度はあったけど姉弟子だとちょっと重かったか……!
姉弟子を抱えながら頭から水面にあたった。幸い途中でワイヤーがクッションになったため体がバラバラになることは防げたが……
「姉弟子!?大丈夫ですか、姉弟子!」
姉弟子が気を失ってしまっていた。どうやら水に落ちた際に気を失ってしまったみたいだ。
「くそっ!早く陸に上がらないと……!」
俺は姉弟子を抱えて陸地を探す。すると遠くに穴のような場所がありそこに向かうことにした。
「キシャアアアッ!!」
だが背後からさっきの魔獣が追いかけてきた。急がないと……!
だが水中では動きにくい上に姉弟子を抱えている、魚型の魔獣である向こうの方が泳ぐのも早くこのままではすぐに追いつかれてしまう。
「姉弟子、雑に扱う事になって申し訳ありません!」
俺は鬼の力を使い姉弟子を上空に投げた。そして太刀を抜いて上段に構える。
「業炎撃!」
そして飛び掛かってきた魚型の魔獣の脳天に一撃を喰らわせた。地上じゃないので踏ん張りがきかず威力は落ちているがまさかの反撃に魔獣は怯み逃げていった。
「ふう、何とかなったか……じゃなくて姉弟子!」
俺は落ちてきた姉弟子を優しくキャッチする……ってマズイ!姉弟子息をしていないじゃないか!
「うおおおおっ!!」
鬼の力を全開にして必死に泳ぎ穴の中に入る。そしてすぐに姉弟子の状態を確認する。
(水を飲んだのか……なら人工呼吸しないと!)
俺は直ぐに胸骨圧迫と人工呼吸を始めた。回復アーツもかけながら必死でそれらを続けていく。
「……ゴホッ!?」
よし、姉弟子が水を吐いたぞ!俺はそのまま応急手当を続けていく。
それから暫くして姉弟子はなんとか助かった。本当に良かったんだけど……
「……」
「……」
現
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